赤木君と小暮君が、ずっと支えてきた土台の上に、これだけのものが加わった。それが湘北だ

 

 「動いていないと‥じっとしていると‥悪いイメージばかり浮かんでくるもんで‥。」

 「えっ何故だね?PG(ポイントガード)のマッチアップでは、ウチに分があると、私は見ているんだが‥。」

 …オレに分がある!!…

 

 「今、山王工業の先発メンバーが分かってね‥それが、SG(シューティングガード)だけ、いつもと違うらしいんだ。」

 「俺の相手だけ‥!?ど‥どういうことですか?」

 「いくら山王といえど、三井寿は怖いと見える‥。」

 

 「落ち着いてるね。桜木君は。」

 「フン‥あの満員の観客の前で大恥をかいちまったからな‥もう怖いものなどねえ。」

 「おや、もともと君に怖いものなどあったのかね?」

 「ない。」

 『SLUM DUNK』王者・山王工業戦を前にして、いつもと異なる気持ちでいた宮城・三井・桜木に対する安西先生の言葉です。

 

スラムダンクの名シーン振り返り『それが湘北だ』 | みんなのメディアサイト

 

 

 私は、上記のやり取り含め、山王工業戦を前にした選手達の気持ちの持っていき方を観る事が好きだった為、そこが映画においてカットされていた事は、残念でした。

 上記の安西先生の言葉により、宮城は、落ち着きを取り戻し、上手く乗せられた宮城は、高校最強PG深津と互角に渡り合う事が出来ました。

 三井も、王者が自分を恐れている事を知り、緊張が解け、自信を持ち、試合に臨む事が出来ました。

 桜木は桜木。安西の言葉に乗せられた桜木は、王者に挑むキープレイヤーとなります。

 

 

 あなたは、学生時代、教師との関係は、如何でしたか?

 私は、正直、教師が邪魔でした。

 中学時代、私はテストの点数が良かったものの、学習態度が良くないという理由で、成績が私よりもテストの点数が悪い女子よりも、低い事が常でした。

 私は、教師の意見が私の意見と異なる時に、自分の意見を主張していただけにも関わらず、教師は、それを学習態度が良くないと評価していました。

 そして、誰の目にも、自分に好意を寄せているように見せながら接する女子生徒を、男性教師が優遇している事は、明らかでした。

 

 大学を卒業し、社会を1度も経験せずに「先生」と呼ばれる大人子どもである教師という存在に、悉く邪魔されてきた事が、私の学生時代の一面です。

 勿論、そのような中でも私に目を懸けてくれる教師もいましたが、想定的に見て、私は、教師という存在が邪魔でした。

 

 

 教師と生徒との相性が良い場合も、悪い場合もあります。

 例えば、外向性の高い教師は、何故内向的な子どもが授業中に発言をしないのか理解する事が出来ず、彼ら彼女らを学習意欲がない・能力が低い等と評価をしています。

 これに対し、内向的な教師は、同じく内向的な生徒が、見過ごされていないか、気配りする事が出来ます。

 その一方で、内向的な教師は、外向的な教師以上に、授業中に騒ぐような生徒の事を苦手な生徒と決めつけてしまう傾向があります。

 

 教師が、生徒を、どのように受け止めているのかが重要である事を示す研究があります。

 この研究では、「子どもの気質」と「教師がつけた成績」との間に相関関係があるという結論を出しています。

 この相関関係が、教師が授業態度・課題の出来等、主観的な成績評価をする場合に、より強くなりました。

 

 教師は、どの生徒が「自分に好意を抱いているのか」「教えやすいのか」等に強い思い入れがあり、このような先入観が、子どもの学力評価に強い影響を与えているのです。

 

 

 さらに、子ども達と教師との言葉のやり取りそのものが、子ども達の「自分は勉強が出来るのか」「自分は有能なのか」「自分は人としてどうなのか」等といった自己評価に影響を与えます。

 否定的な言葉を多く使う教師は、子どもに拒絶感を与え、学業への意欲を削ぎ、自尊心を傷つける可能性が高いです。

 これに対し、子ども1人1人を受け入れ、長所を伸ばし、課題を解決する為に、一緒に取り組む事が出来る教師は、子ども達の、意欲を高め、これにより、成績向上にも繋がります。

 

 後者のような教師は、子どもの「気質」の違いを認識する事が、子ども達の学びの助けになる事を、理解しています。

 子どもの「気質」の違いに合った対応を心掛ける事が、子育てにおいて親の助けになるのと同様、教室においても、1人1人の子どもの「気質」に応じた対応をする事で、学校で起こる問題を減らす事に、繋がるのです。

 

 

 私には、大学を卒業して、社会を1度も経験をせずに「先生」と呼ばれるような子ども大人である教師に、子ども1人1人の「気質」を見極める事は出来ないと思います。

 その証拠に冒頭で述べた、私よりテストの点数が悪いのに、男性教師に好意を寄せているかのように見せている協調性・外向性が高い私より成績が良い女子程、その男性教師の悪口を影で言いまくっているとともに、いじめの加害者である事も複数目撃してきました。

 

 そこで、私は、親から、教師に対して、自分の子どもの「気質」を伝える場面を、持つ機会を作るべきであると考えています。

 日本の学校においては、学校や教師から一方的に、親に連絡事項を伝えるという一方通行の関係性が、現在でも通じています。

 学校や教師が、必ずしも、知的な存在でも、学ぶべき場所や人ではない事が、バレてしまっている現代においては、これまでのような縦の関係だけでは、両者の関係は、機能しません。

 

  …私の娘は、内向的な性格です。クラスで中々発言が出来なくても、それは意欲がないからではありません。彼女は、信頼した人に対しては、自分の気持ちを表現豊かに伝える事が出来ます。しかし、クラス全員の前で話す事は、苦手です。時折、私の娘と、1対1で話す機会を作って頂きたいです…

  …私の息子は、生まれつき感情的な子どもです。イライラすると大変な事になります。息子が、落ち着く為に、私達が見つけた方法は…

 

 

 このように、親が、自分の子どもの「気質」を話す事で、教師は、子ども1人1人の生まれつきの傾向を理解する事が出来ます。

 さらに、教師は、正直1人1人の子どもの親の事までは、把握していません。

 このように、親と教師が、子どもに関して、話す事は、教師に親の存在を把握させる効果もあります。

 子どもの後ろに、その親の顔までも見えるようであると、その子どもに対し、不誠実な対応をする事を防ぐ、予防にも繋がります。

 

 

 子どもは、教師と、形式だけでも良い関係を築く方が、学校生活は送りやすくなります。

 教師の多くが、子どもの実力や資質等よりも、自分との関係性において、子どもを評価し、これは成績や部活における試合出場の有無等にも関わります。

 その一方、学生時代に、教師に対する怒りを覚え、その怒りを、努力に変換させた方が、大人になってから成功するような気もしています。