「まだ撃てない。ギアを上げろ。馬狼くんが創ったこの混沌(カオス)があるから、出来る蹴動作(ステップ)。」
「フルスピードで両足球交換(ラクロケタ)?さっきまでより、タッチが超細かい。広域(スペース)での1on1じゃなく、敵・味方入り乱れる場所でのカットインだから‥選手(ニンゲン)という障害物を利用して掻い潜るーストリートサッカーのドリブル型か?」
「どけよ。俺には時間が無いんだ。」
『ブルーロック』雪宮と音留の1on1の最中の脳内言葉です。
あまり語られませんが、フットボールにおいて、敵を抜く若しくは騙す、遅らせるには選手(ニンゲン)を利用するのが効果的です。
その為に、あえて選手がいる方に足を踏み入れる等、頭が使える選手は、常に駆け引きをしています。
そして、この選手は敵選手だけではなく、味方選手も含まれます。
よく自分が走ったにも関わらず、パスが来ず、怒る選手をみかけます。
たしかに、明らかにパスした方がいいタイミングもありますが、その選手が走った事で、ボールを持っている味方の選手に、選択肢が増え、敵を抜く若しくは騙す、遅らせる事が出来る可能性が格段に上がります。
指導者は、ここで走った選手をきちんと褒める必要があります。
選手は褒められる事で、自分のランニングの価値を知る事が出来、次からも例えボールが来なくても走る事が出来ます。
走ったにも関わらず怒る選手がいたら、そのチームの指導者がきちんと褒める事が出来ない指導者であると私は認識しています。
選手(ニンゲン)を利用するという視点は、フットボールに限らず、様々な仕事や人生において有効な考え方です。
仕事においても、人生においても、あなたを幸福にするのも、あなたの障害物となるのも人である事がほとんどです。
たとえば、どのような職場にも悪口の運び屋のような人がいます。
基本的にこのような人は、あなたに害を及ぼす事はあっても、益を生み出す事はありません。
何故なら、悪口の運び屋が悪口を運びさえしなければ、悪口の対象者にとって、その悪口はこの世に存在していないものだからです。
このような人は、なるべく関わらず生温かく見守っていれば、いずれ悪事がばれ、その組織から追放されると相場は決まっています。
そのような人でも、利用価値はあります。
悪口の運び屋に、あなたが仲良くしたいと思っている人の誉め言葉を伝えるのです。
そうすると運び屋は伝書鳩のように、その誉め言葉を職場のあらゆる人に勝手に届けてくれます。
誉め言葉は直接伝わるよりも、第三者から伝わる方が効果が高いという研究結果があります。
このように、障害物のような人もやり方次第で、あなたにとってプラスの存在とする事も出来ます。
向かい風が吹いた時でも、自分自身が向きを変えれば、その風は追い風にする事が出来ます。
「最近うまくいかない。」「スランプ。」等と感じている人、そのような時こそチャンスです。
今のあなたにしか出来ない事、つまり、スランプ中にしか磨けない技術を磨きましょう。
上手くいかない状況に、精神を安定させたり、負の感情をコントロールする技術は、スランプの時にしか磨く事が出来ません。
それらの技術は、生涯に渡り、あなたを助けてくれます。