間違ってる事をそうじゃないって言うのは普通ですが、正しいことを合ってるよって言う事は少ない気がします。でも、やってる本人たちは正しいか不安になるものだと思うんです。あってるよって口に出す事って、けっこう大事だと思うんですよね

 

 「そうそう。確かにさっきのブロックはビビったけど、やられた理由が分かれば案外怖くなかったりするもんだ。鴎台のブロック、分断できたら最高だけど、そう簡単にはいかねぇ。でも、鴎台(ヤツラ)だって機械(ロボット)じゃない。多人数・多方向からの攻撃で、相手(ブロック)が処理する情報の量を増やす事は、必ず相手に隙をつくるし、ストレスとして蓄積する。」

 「手応えが無いとき、自分のやってる事は無駄なんじゃないかって感じる事がある。でも、少なくとも今そんな事はないです。」

 

 「?何だよ。」

 「間違ってる事をそうじゃないって言うのは普通ですが、正しいことをあってるよって言う事は少ない気がします。でも、やってる本人たちは正しいか不安になるものだと思うんです。あってるよって口に出す事って、けっこう大事だと思うんですよね。」

 『ハイキュー』烏野高校コーチ鵜飼の言葉と、鵜飼と烏野高校顧問武田の会話です。

 

 

 目標設定する時に「人前で緊張しないようにしたい」「仕事でミスをしないようにしたい」「人に嫌われないようにしたい」等という目標設定の仕方は、避けた方がいいです。

 その理由を今から証明します。

 今から絶対にシロクマの事を考えないで下さい。

 北極に生息しているシロクマを、動物園の人気者シロクマを、陸上最大の肉食動物シロクマの事を絶対に考えないで下さい。

 いかがでしょうか?

 頭の中は、シロクマでいっぱいになったのではないでしょうか。

 これを心理学では、リバウンド効果若しくはシロクマ効果と呼びます。

 

 脳は「~しないように」という否定語を理解出来ません。

 そして、脳はイメージしたものを再現しようという性質があります。

 その為「緊張しないように」等と目標設定をすると、脳は緊張している自分の姿を思い浮かべてしまいます。

 これに連鎖するように、過去に経験した緊張した場面が思い浮かび、心も身体もさらに緊張してしまうという負の連鎖に陥ってしまいます。

 

 

 目標を立てる時は、肯定的な言葉を使いましょう。

 「人前でリラックスして話せるようになる」「仕事で成功する」「人に好かれるようになる」等と目標設定をするのです。

 避けたい状態ではなく、なりたい状態をイメージ出来る言葉選びをする事で、目標が達成されやすくなります。

 

 この思考方法は、目標設定だけではなく、子育てやパートナーとの関係性、仕事等、あらゆる場面で活用する事が出来ます。

 子どもに「廊下を走らない」と否定語で叱っても、子どもは言う事を聞かないばかりか、親自身にも怒りの感情が生まれてしまいます。

 これを「ゆっくり歩いてね」と肯定後で話し掛ける事で、子どもが言う事を聞く可能性が上がるばかりか、親自身も無駄に怒りの感情を感じなくなります。

 親が子どもに対し、躾の為に7歳までに話し掛ける言葉の7割は否定語です。

 私達は、物心つく前から、否定語に慣れています。

 その為、他人の良い所よりも悪い所に目がいきますし、褒めるよりも注意する事の方が、楽なのです。

 

 相手を注意したり、批判したり、悪口を言う事は誰にでも出来ます。

 しかし、否定語を使われて、気持ちいいと感じる人は、ほとんどいません。

 否定語を使うと、相手のモチベーションを下げ、不安感を高めてしまいます。

 今日から否定語を、肯定後に変えてみて下さい。

 これだけの変化で、あなたの周りの景色は大きく変わる事を約束します。