「クワハハハそうだ行け。麦わら。」
「ずいぶん肩を持つのね。」
「ーああ。麦わらも候補の一人だ…私はこう思っている、ステューシー。近々最悪の世代と呼ばれる者達の中から…海賊王が誕生すると。」
『ONEPIECE』モルガンズとステューシーの言葉です。
昔々、インドネシアの小さな島、現在フローレス島と名付けられている島に住んでいた小さな人類のお話です。
100万年前、フローレス島の周囲の海水面は、今よりずっと低いものでした。
つまり、現在では海で覆われている多くの場所が、まだ陸地若しくは浅瀬の浜辺として、フローレス島から行き来する事が出来ました。
そこで、好奇心の強い一部のヒトやゾウのような大型動物が、陸地や浅瀬を使い、他の島からフローレス島に渡ってきました。
ところが、やがて海水面が高くなり、ヒトもゾウも、フローレス島に取り残されてしまいます。
フローレス島は、とても小さな島で、食べる物が豊富にはありませんでした。
たくさん食べなければ生きていく事が出来ない大きいヒトと大きいゾウが、最初に命を落としました。
その中で、あまり食べなくても生きていく事が出来る小さなヒトや小さなゾウは、生きていく事が出来ました。
小さい父親と母親から生まれた赤ちゃんは、さらに小さくなりました。
もちろん、生まれてくる赤ちゃんが皆同じ大きさという事ではなく、大きな赤ちゃんもいれば、さらに小さな赤ちゃんもいました。
その中で、食べる物が少ない為、生き残ったのは、小さな赤ちゃんでした。
こうして世代を重ねる毎に、フローレス島では、ヒトもゾウも、どんどん小さくなっていき、小型のヒトと小型のゾウが生きていました。
「小人」「ホビット」は、お伽話の世界の話ではなく、実在していたのです。
そして、その当時には、フローレス島の小人だけではなく、世界中に20種類もの、人類が生活していました。
しかし、5万年程前、我々ホモサピエンスを除く全ての人類や、各大陸に生息していた大型動物が、姿を消してしまいます。
その原因は、隕石の衝突でも、巨大地震でも、火山の噴火でもありません。
我々ホモサピエンスが、世界中に拡散した「グレートジャーニー」この時期と、他の人類や大型生物の絶滅の時期が重なります。
つまり、我々ホモサピエンスは、その土地の食べ物等の資源を全て奪ってしまい、古よりそこで生活していた他の人類や大型動物は生きていく事が出来なくなってしまったのです。
ライオンは、シマウマを一匹食すれば、その後暫くはシマウマが目の前を通ろうと、襲う事はありません。
しかし、ホモサピエンスは違います。
美味しい物を食べてもさらに美味しい物を求め、多くのお金を得てもさらに多くのお金を求め、承認をされていてもさらに多くの承認を求めます。
つまり、ホモサピエンスは、地球上で唯一、必要以上の欲を出す生き物なのです。
先日のシリコンバレー銀行の破綻も、ヒトの欲が表面化した1つの事例です。
銀行が破綻する理由の1つに、預金者が一斉に預金引き落としをする事により、銀行に現金がなくなり、破綻するというものがあります。
シリコンバレー銀行の破綻も、この理由により、破綻しています。
銀行は、私達が預けたお金を金庫に保管しているのではなく、そのお金を他の人に貸しているのです。
銀行には、預かっている預金の1割程度しか、現金がないのです。
ある著名人が、シリコンバレー銀行から、多額のお金を引き落としているという噂が流れると、預金者は一斉にお金を引き落とし始めました。
日本においては、銀行が破綻した場合、政府が1,000万円までは保証するという制度がありますが、アメリカにも同様の制度があります。
つまり、1,000万円は保証されるものの、それ以上の金額は保証されないのです。
いつの時代も、ヒトの心理が、大きく歴史や経済を動かします。
しかし、バイデン大統領が、特例で「シリコンバレー銀行の預金は、政府が保証する」という声明を出しました。
それでも、預金者の混乱は収まりませんでした。
私には、時代の流れが、GAFAから、新しい海賊王の誕生を望んでいるように映ります。
…コロナウイルスによるパンデミック・ロシアウクライナ戦争・世界的銀行の破綻…
誰もが予想出来なかった時代の中においても、ヒトの欲は止まりません。
これらの危機を経験した最悪の世代の中から、次の海賊王が生まれます。