「ご飯苦手なものあったら無理して食べなくていいからね。作ったの私じゃないし。」
…一言余計だなぁ…
「食べられるものはモリモリ食べちゃって。」
「ありがとうございます。」
「谷くんは好きな食べ物何かある?あコレ事前に聞いとけば良かったね。」
「そんなドンドコ質問されたら食べられないよ。」
「あらやだいけない‥。」
『正反対な君と僕』鈴木母と鈴木・谷の会話です。
わかりやすく話す為には、事実と意見を分けて話す事が有効です。
多くの人は、事実と意見を分けて話す事が出来ない為、何を話しているのかわからない事が多いです。
「お客さん、何か言ってた?」
「金額について、不満そうでした。」
「不満だと言ってたの?」
「いえ、そう言われると言ってないような‥。」
「じゃあ、何で不満だと思ったの?」
「えーと、確か金額について交渉の余地がありますか?と言っていました。」
このように、事実と意見を分けて話す事が出来ない人から話を聞くと、状況を把握するのに、通常の3倍の時間が掛かります。
「あなたは、幸福ですか?」と質問されたら、多くの人は「まあまあかな。」と答えるのではないでしょうか?
この質問に正確に答えるのであれば、幸福を定義し、過去の幸福度を算定し現在の幸福度と比較し、幸福かどうかを説明しなければなりません。
ところが、この過程は大変面倒くさいです。
そこで、脳内で勝手に「今、自分は気分がいいのか?」という質問に置き換えます。
その為「まあまあ幸福です。」というような答えになります。
これはヒューリスティックスと呼ばれる脳の働きです。
ヒューリスティックスには、外国人だから英語を話せるのような典型的なイメージ(ステレオタイプ)を過大に評価する代表性ヒューリスティックスや、車より飛行機の方が事故に遭いやすいのような人からの話や衝撃的な出来事・イメージしやすい事から確率を判断してしまう利用可能性ヒューリスティックス等があります。
先程の上司と部下の会話においても、その場では決めてくれなかった・交渉の余地はあるかと聞かれた事という事実と、金額の折り合いさえつけば受注可能であるという意見を分けて伝える事で、相手にも伝わりやすくなります。
事実と意見を分けて話す。
これを習慣化する事で、あなたの話のわかりやすさが3倍上がる事を約束します。