「その影山のサーブで、試合スタートです。直近の世界選手権でのフランス相手の5連続サービスエースが記憶に新しいですが、立ち上がり凌げるかBJ(ブラックジャッカル)。試合開始です。」
…俺も、高3(まえ)とは違うぞ…
「フランスを追い詰めた影山のサーブを、一発で上げてみせた日向翔陽ーッ!!!」
…すぐ立て、すぐ立て…
…まずは、ちゃあんと、挨拶せなな…
「おっと?レシーブ綺麗に返ったが、速攻やコンビを使わない宮侑。」
…硬い床!俺を押し返してくれ!!…
「‥くそ。」
「来たぞ!!!!」
「?」「?」
「おかえりーーっ!!!」
「遅(おっせ)え。」
『ハイキュー』おかえりの場面です。
♦「おかえり」とは挑戦者に掛ける言葉
…メッシ、ブスケツ、アルバ、スアレス…
…ラモス…
…ディ・マリア…
…ミリンコビッチ・サヴィッチ、クリバリ、カンセロ、ルヴェン・ネヴェス…
現在行われているクラブ・ワールドカップにおいて、私の青春そのものであった選手達と、再会する事が出来ました。
これも、彼ら挑戦者達の宿命なのか、運命なのか、世界一の舞台(ヨーロッパ)を離れても、世界が注目する舞台(ばしょ)に立つ事が出来る事に、不思議さを感じるとともに、何故か納得してしまいます。
何故か納得させる事が出来る。
これこそが、彼らの覇気(力)です。
現代最強のチームであるパリの11人の入場よりも、チームとしての完成度は何倍もパリに劣るにも関わらず、メッシ1人の入場の方が、覇気を感じる事が出来る事に、嬉しさと少しばかりの悲しさと、安堵感を感じてしまいます。
そんな彼らに掛ける言葉は「おかえり」です。
ヒンズー教では、赤ちゃんが誕生した日に、神が、その運命をその子の額に書くという言い伝えがあります。
…信心深い1人の男が、娘を授かりました…
…彼は、娘が生まれた日に、神から2つの贈り物を貰いました…
…1つは、予言を読む事が出来る「眼鏡」もう1つは、予言を書き換える事が出来る「鉛筆」…
…男は「眼鏡」を掛けて、リストを読みました。そこには、こう書かれていました…
18歳:クラスでトップの成績で、学校を卒業する
20歳:車の事故で、左足を切断する
24歳:未婚の母になる
29歳:結婚する
32歳:小説を出版し、成功する
33歳:離婚する
…男は「鉛筆」に手を伸ばしました…
もし、あなたが、この男であったのなら、いくつかの出来事を書き換えたくなる事でしょう。
ただ「鉛筆」の使い方には、注意が必要です。
「子どもにとって良い事」だと親が思っている事が、転じて「子どもにとって悪い事」を引き起こす事もあります。
大きな逆境や挫折を全て消し去ってしまう事が、子どもを弱い存在のままにしてしまう事、未発達なままにしておく事に、なる可能性が高いです。
「親の甘いは、子に毒薬」
親が子どもを甘やかす事が、子どもにとっては毒になるという意味の諺(ことわざ)です。
親に甘やかされて育った子どもは、逆境や挫折・苦労等という経験をする事なく育つ為、自らの苦い経験から学ぶという、人生における最も大切な1つの経験をする機会を失う事になってしまいます。
限界を超えない程度の逆境や挫折、危機は、人が、成長していく為には、必要な事です。
その最中においては、苦しみもがく事になろうとも、その経験は、後のその人の人生に大きな恩恵を与えてくれます。
①内省の機会
②自分の中に隠れていた能力が呼び覚まされる
③本当にあなたを思ってくれる人と、そうではない人を見分ける事が出来る
①内省の機会
自分の世界観や行動について、深く省みる機会を得る事が出来ます。
成功から学べる事は少ないですが、失敗から学べる事は、多いです。
同様に、順堺な時に学べる事は少なく、逆境な時に学べる事は、多いです。
内省により、あなたの世界観が、大きく変化する事もあるでしょう。
②自分の中に隠れていた能力が呼び覚まされる
自分の中に隠れていた能力が呼び覚まされ「自分とは何者か?」という自己概念が、向上します。
困難を乗り越えようとする時にしか、あなたの中に眠っていた力が、起きる瞬間は、訪れません。
「自分は思っていた以上に強い」「自分にはこんな能力があったのか」
これらの気付きが、その後の人生を生きていく上での、大きな武器となります。
③本当にあなたを思ってくれる人と、そうではない人を見分ける事が出来る
あなたの周りにも、家族や親戚・友人・知人・同僚・取引相手等は、たくさんいる事でしょう。
しかし、本当の意味で、あなたを思ってくれている人は、少ないものです。
それを見分ける方法があります。
あなたが逆境に立った時、あなたに手を差し伸べてくれる人が、本当にあなたを思ってくれる人です。
ここで、1つ疑問が湧いてきます。
逆境や挫折を経験する事で「重要な教訓」を得て、それにより強い人間・より成長した人間になる事は、理解出来ます。
しかし、何故親が子どもに、上司が部下に、師匠が弟子に、その教訓を口で教える事が出来ないのでしょうか?
この続きは、また後程。