「誰にも止められなくなるぞ‥!!!暴走する、この時代を!!!」
『ONEPIECE』シャンクスの言葉です。
♦誰もケアマネをやらない時代が、すでに到来している
私は、現在「主任介護支援専門員更新研修」を受講しています。
事前学習の多さや回を重ねる毎に量が増える資料等「シンプルにわかりやすく」が主流となっている現代のビジネスに逆行し続ける、介護分野に怒りを覚えるとともに、誰もこの事を疑問にすら感じていない事に「ここは私の舞台(ばしょ)ではないかも」という思いが年々加速しています。
また、学ぶ事のない高齢の方の研修や、私自身の脳内で考える事以上の学びや発見がないグループワークにも、正直「時間の無駄」であると感じる気持ちが、年々増加しています。
「自分の話し方」を振り返り、改善していく事以外に、研修に参加する事への学びがない事に、がっかりしています。
私は、研修は、日々の勉強を重ねる事を怠っている人に、用意されているという仮説を持っています。
日々、勉強を重ねている人には、研修は不要であるというのが、私の現在の解です。
4,04倍。
この数字は、2022年12月におけるケアマネジャー(ケアマネ)の有効求人倍率です。
9,70倍。
この数字は、2024年2月におけるケアマネジャー(ケアマネ)の有効求人倍率です。
4倍という数字を見た時には驚きましたが、約1年程で、ケアマネの有効求人倍率は、4倍の2倍以上である9倍にまでなっています。
この謎の解決策として、昨年のケアマネ試験を簡単にし、合格率を10%後半だった例年から、30%以上にするという謎の狂行に出ています。
私は、仕事の1つとして、ケアマネをやっています。
主任ケアマネの資格も取得し、ケアマネとしての仕事歴は、13年になります。
①仕事の多忙さ・求められる事に対して、給料が安い
②精神的に疲弊する
③資格の維持が大変
ケアマネが、ケアマネを辞める要因を分析すると、上記の3つに分類する事が出来ます。
①過去10年間において、物価は1,5倍から2倍に上がっています。
2012年において平均1,090,000円で購入出来ていた軽自動車は、2022年においては平均1,600,000万円を支払わないと購入出来なくなっています。
現在において、その値段は、さらに上昇し続けています。
それにも関わらず、ケアマネの給料は、過去10年間で8,000円しか上昇していません。
2024年に改正された「介護保険法」において、ケアマネの報酬が上昇する事が期待されましたが、1人あたり80円の上昇しか見られず「バカにしているのか」と怒りを覚えた人も多かったのではないでしょうか?
そのような中で求められる事ばかりが増え「介護」「障害」「医療」等の分野は勿論「住宅」「生活保護」「成年後見」等、あらゆる機関からの相談があるのが実態です。
答えられる専門性が増える事で、給料が上がるのであれば問題はありません。
しかし、残念ながらケアマネは、そのような仕組みになっていません。
「善意」だけで仕事を続ける事は、出来ません。
「善意」に頼るこの業界は、もう破綻寸前です。
「自分のことしか見ていないと、誰もがオレに知ったような口を利くが、オレから見れば不気味でならない。」
「だって誰かが人の気持ちを考えろって、口にした時ーそいつの言う人ってのは、自分のことなんだから。」
『ジャンケットバンク』三角の言葉です。
②2018年過去1年間において、利用者(高齢者)・家族からハラスメントを受けたというケアマネは、60%に及んでいます。
私の会社は「介護を受ける人が幸せになる為に、まずは介護で働く人を幸せにする」という世界観を提唱しています。
精神的に疲弊し、鬱病を発症し、辞めていくケアマネが後を絶ちません。
責任の所在を全てケアマネに持っていくという利用者・家族・仕事関係者の世界観を、改善していかないと、誰もケアマネをやらなくなる時代がやってきます。
…ダメだ。考えることを放棄してる…
…考えることが‥怖いんだ!…
『進撃の巨人』アルミンの脳内言葉です。
「今年の研修、何故全て会場に行かなければ受ける事が出来ない研修なのですか?」
「話し合いの結果、そうなりました。」
「研修会場までの移動時間等を考えると、研修の為に半日の仕事がつぶれてしまいます。オンラインであれば、職場から受ける事が可能になり、その直前まで仕事が出来、仕事の生産性向上にも繋がります。全ての研修をオンラインにしてほしいとは言いませんが、せめて半分程はオンラインに出来ないのでしょうか?」
「そういった意見も伺っておりましたが、話し合いの結果、会場研修という事になりました。」
私と「研修の為の研修」を主宰する区役所職員との会話です。
③資格の維持が大変。
あまり言われていませんが、私は、早急に改善すべき点は、否、早急に解決出来る点は、ここにあると考えています。
ケアマネは、試験に合格し、登録をしたら、仕事が出来るわけではありません。
そして、その後も各研修を受講し続けていかないと、資格の維持が出来ないのです。
a.実務研修(87時間)
b.専門研修Ⅰ(56時間)
c.専門研修Ⅱ(32時間)
d.主任ケアマネ研修(70時間)
e.主任ケアマネ更新研修(46時間)
これだけの研修を受けないと、資格を維持する事が出来ない資格が他にあるでしょうか?
これを、ケアマネ仕事の傍ら、受講していかなければならないのです。
そして、驚くべき事に、上記の研修を受講する為の条件として、区等が主催する研修を年4回以上受講しなければならないという「研修地獄」となっています。
研修を受ける為に、研修を受ける。
いかにも、日本人、否、公務員っぽい思考方法であり、最早呆れてしまいます。
上記の私と区役所の方との会話も、区が主催する「研修を受ける為の研修」です。
たとえば、14時~16時の研修を会場でやる場合、ケアマネは、半日仕事を空けなければなりません。
会場までの移動時間等も、考慮する必要があるからです。
つまり「研修の為の研修」を受講する為に、半日仕事が出来ない状態になるのです。
その為、私は、研修をZOOM等のオンラインでやる事を区役所に依頼し続けています。
オンラインの場合、事務所若しくは自宅から参加が可能である為、14時からの研修であっても、13時に訪問やオンライン面談等の仕事をする事が出来ます。
また、現在のような外出する事自体が危険である猛暑から、心と身体を守る事にも繋がります。
しかし、私が仕事をしている北区においては、今年度開催する11の「研修の為の研修」全てが、会場における研修になっています。
その理由を聞くと、昨年同様「実際に会って、隣の人と話す等の効果は会場でないと出来ない。」等という謎の返答が返ってきました。
考えてみてください。
たった2時間研修で隣になった人と、研修終了後も関係を継続した事がありますか?
私自身、そのような経験はありませんし、そのような人に出逢った事もありません。
百歩譲って、そのような効果があるのだとしても、全ての研修を会場における研修にする必要はありません。
2024年「介護保険法改正」において、介護現場での生産性向上の取り組みを促す為、介護サービスの質の向上・職員の負担軽減の方策を検討する委員会の設置を、施設系サービスに義務付ける事になりました。
私は、この委員会は、介護保険サービス事業所ではなく、区役所や東京都にこそ、設置すべきであると思います。
会場研修を選択したい人は会場研修を選択出来るように、生産性向上の為にオンライン研修を選択したい人はオンライン研修に参加出来るようにすればいいのです。
ケアマネの研修自体を変えていく事が、すぐに出来ない事は理解出来ます。
しかし、区が主催する研修の半分をオンライン研修にする事は、今日から出来ます。
実際、コロナ渦では、区が主催する研修も、殆どがオンラインとなっていました。
私自身、講師やファシリテーター等として研修を主催した経験もありますが、オンラインにおいても、グループワークは出来ます。
寧ろ、画面共有等の機能がある為、オンラインにおけるグループワークの方が、成果を出す事が期待出来ます。
あなたがケアマネでなくても、是非、この現状を認識して、応援して頂きたいです。
ケアマネが「介護保険」の鍵である事は、間違いありません。
ケアマネがいないと、デイサービスを利用する事も、ヘルパーさんを利用する事も、ベッドを借りる事も、出来ません。
最も避けるべき事態は、誰も、ケアマネをやらない時代が来る事です。
どんな方面からでも良いので、この現状を理解して、応援して頂けると、幸いです。