…大人になったら子供のころの痛みは忘れたり薄れたりするものと思われがちだけど、平良はそうは思わない。もちろん忘れてしまったこともあるけれど、初めてクラスメイトの前で吃音が出たときの、みんなのぽかんとした顔は今でも覚えているし、そのときの泣きたい気持ちも忘れていない。もちろん、楽しかったことも少ないけれど覚えている…
…そういうものが積み重なって、今の自分がここにいる。三つ子の魂百までと言うけれど、一生持って歩くバッグの中身は、意外と子供のころから入っているものが多い。誰とも交換できないし、誰にも持ってもらえない。ずっと自分で持ち歩くのだ。死ぬまで…
『美しい彼』平良の脳内言葉です。
私が、大学時代海外を旅していて驚いた事の1つに、海外の大人達が殆ど働いていない事がありました。
否、働いているのだろうけれど、公園で友人と話していたり、寝ていたり、家族との時間を過ごしていたり、そもそも働いていなかったり…。私が旅の最中、出逢った大人達はそのような人ばかりでした。
これは、インドでもアフリカでもロンドンでも、感じました。
海外では、一部の変人(天才)を除き、エリートであればある程、成功していれば成功している程、家族との時間を大切にします。
日本人の家庭における家族内の会話は「今日は何時に帰る?」「勉強はした?」「テストはどうだった?」等といった業務連絡が殆どです。
ただ、家族と他愛のない話をして1時間・2時間過ごすという事がありません。
休日は、デリバリーでも、コンビニ商品でもいいので、家でゆっくりと会話を楽しむか、どこかに出掛け、業務連絡以外の話をして過ごしていきたいものです。
これに対し、海外では、学校や会社で起こった事、その時感じた事等を親子が互いに話します。
自分が夢中になっている事・興味がある事・政治の事等、とにかく何でも家族内で話します。
先日、山手線に乗車していたら私の隣に座っていたアメリカ人の父親が10歳にも満たない息子に、ドル円のチャートを見せながら、世界情勢について説明していました。
そして、賢い親程、子どもをジャッジしません。
ジャッジせずに、信頼して1人の対等な人間として、尊重して話を聞いてあげる事が、子どもの能力を最大限に引き出す為に何よりも大切である事を知っているのです。
この繰り返しが、子どもの自己肯定感を育てます。
一生持って歩くバックの中身は、意外と子どもの頃から入っているもの多いものです。
今日、家に帰ったら、是非、家族と業務連絡以外の話をしてみて下さい。