だけど、自信が欲しかった。その覚悟の裏付けとなる強い自信が。自分を信じるために他者からの評価を求めた。私はバカだ。その時点で、自分を信じていないと気付きもしなかった4

 

 「…そこそこレベル上げたのに、それを一回横に置いて、またレベル1から始めるって辛くないかい?」

 「…んーでも、レベル上げ好きです。できるようになるの何回でも楽しいです。」

 「自分に言い聞かしてない?」

 「そっそんなことはっ。」

 「ふーん。」

 『ハイキュー』及川徹と日向の会話です。

 

 

 自己肯定感と一緒に用いられる言葉に、自分は誰かの役に立っているという気持ちである自己有用感と、自分は何かが出来るという気持ちである自己効力感があります。

 これら3つの区別をつける事なく、ごちゃ混ぜにして語る事は、非常に危険です。

 

 例えば「お客様に喜ばれて、自己肯定感が上がった。」というのは、お客様の役に立っているという自己有用感と、自己肯定感を混同しています。

 「病気で仕事が出来なくなって、自己肯定感が下がった。」というのは、自分は仕事が出来るという自己効力感と、自己肯定感を混同しています。

 

 お客様に喜んで貰う努力は、当然します。

 しかし、お客様が喜んでくれるかどうかはお客様次第です。そこは、自分では、コントロール出来ません。

 そこと、自己肯定感は切り離して考えるべきなのです。

 

 お客様に喜んで貰えても、喜んで貰えなくても、喜んで貰う努力をした自分を受け入れ愛する事が、自己肯定感です。

 

 

 最強の囮という実績を捨て単身ブラジルに修行に行った『ハイキュー』日向、NASAの月面宇宙飛行士という実績を捨て単身ロシアに渡った『宇宙兄弟』日々人、凪とともに世界一のストライカーになるという野望を捨て1人で世界一のストライカーになる道を選択した『ブルーロック』御影レオ。

 私達が心惹かれるキャラクター達は、1度これまでの実績を捨てて、1人の自分と向き合い、それでも挑戦を続ける奴らです。

 

 …強者で在るために、何度でも強さ(それ)を捨てよう…

 『ハイキュー』若利君の脳内言葉です。