まだ何もしていない。悼む事も、悲しむ事も、まだ‥できない。怒りすら煩わしい。お前が生きている内は。全てお前を殺してからだ。絶望も悲しみも、その後だ

 

 「なんなんだお前…命縮めてまで、死んだ奴の為に…なんでここまで…?」

 「まだ何もしていない。悼む事も、悲しむ事も、まだ…できない。怒りすら煩わしい。お前が生きている内は。全てお前を殺してからだ。絶望も悲しみも、その後だ。」

 『地獄楽』天仙と士遠の会話です。

 

 

 怒りは、変革を起こす力を秘めた感情です。

 しかし、怒りを攻撃性と捉えている人が多い為、多くの人は怒りに抵抗しようとしてしまいます。

 

 怒らない事が流行っていますが、怒る事は健全な事です。

 怒りは、自分が何者か、何を大切にしているのか等、あなたが人生を生きる上で重要な要素を見せてくれます。

 怒りは、自分の境界線がどこにあるのかを示してくれる指針となります。

 自分の境界線が理解出来れば、その境界線を指針とし、自分の行動を重ねていけば自然と人生は良い方向に展開されていく事でしょう。

 

 怒りは、私達が動き出すよう、働きかけてくれています。

 多くの場合、怒りがピークに達してから、私達はようやく本当の意味で変わる事が出来ます。

 私自身も、独立をする1番の原動力は、怒りがピークに達したからでした。

 あなたが、転職した事も、学校を辞めた事も、パートナーとの別れを選択し、人生に大きな変化を起こしたきっかけは、怒りがピークに達したからではないでしょうか?

 

 

 そして、ここが1番重要ですが、怒りは、他の誰かに向けるものではありません。

 怒りは、あなたが人生で変えるべきものを、変える為に使うのです。

 

 怒りをこのように理解出来ていないと、私達は現在生じている問題を解決せずに、怒りを心の奥へと押し込んでしまいます。

 その時、怒りは攻撃性へと変化し、怒りを周囲の人にぶつけて八つ当たりしてしまいます。

 他人に対して怒っている時には、気をつけましょう。

 自分の人生を変える為に使うはずのエネルギーを、無駄に使っています。

 

 きっと、今日も怒りを感じる事が次々と起こるでしょう。

 怒りを感じる事は、悪い事ではありません。

 大切なのは、その怒りを他者に向けない事です。

 その怒りは、あなたの人生をより良いものに変化させる為に、使っていきましょう。