スクラップ・アンド・ビルド
テレビでもお馴染みの羽田圭介氏の著書『スクラップ・アンド・ビルド』はあまり知られていないのですが、
老人介護を描いた小説です。
その小説の文面が、介護の仕事をしている私が読んでいても面白く、感心する部分が多々あります。
特に、会話の部分が若者の現実と介護の現実を見事に描いていると感じます。
たとえば、主人公健斗と友人大輔との会話の一端があります。
「その後輩くんは辞めてどうしたの?」
「介護福祉士のまま、熱海に行った。あそこは最近福祉が発展しているから。大人数収容の施設が続々建っている。お荷物になった関東中の年寄りをアクセスのいい一カ所に追いやって、現地でも若者の雇用が生まれるから、双方にとっておいしい」
「福祉で稼ぐ街ってなんだよ」
「都心部以外はどこもそんな感じだよ。昔の建築や道路開発の代わりに。日本にもう震災以外で建築する余地はないけど、老人はなくならない。増えるいっぽう。」
「早くおまえら子ども作って少子高齢化止めろよ」
私は、この会話は見事に若者の現実と介護の現実を描いていると感じました。