私は、これまで良い上司に出逢ったことはありません。
良い上司というと、どのような人を思い浮かべるでしょうか?
多くの人は、温厚で親しみやすい人を思い浮かべるのではないでしょうか。
その温厚な上司は、優しく、信頼出来て、協力的な人物でしょうか。
もちろん、上機嫌でいることは大人のルールではありますが、親しみやすく温厚なだけの上司は、他者の顔色ばかり伺い、何も出来ない人である可能性が高いです。こういう人の本音は、会社の業績を上げたい等ではなく、対立したくない、面倒を起こしたくない、波風立てずにやり過ごしたいということが、ほとんどです。
他者や慣習に立ち向かうことを厭わないのは、とげのある人や変な人、変わっていると言われている人です。
「ヤツが巨人でないと言うのなら証拠を出せ。それができなければ危険を排除するまでだ。」
「証拠は必要ありません。そもそも我々が彼をどう認識するかは問題ではないのです。大勢のモノが見たと聞きました。ならば彼が巨人と戦う姿も見たハズです。周囲の巨人が彼に群がっていく姿も。つまり、巨人は彼のことを我々人類と同じ捕食対象として認識しました。我々がいくら知恵を絞ろうともこの事実だけは動きません。」
「迎撃態勢をとれ。ヤツらの巧妙な罠に惑わされるな。ヤツらの行動は、常に我々の理解を超える。これ以上ヤツらの好きにさせてはならん。」
「ダメだ‥考えることを放棄してる‥考えることが‥怖いんだ。」
『進撃の巨人』巨人から出てきたエレンへの対応を、人類の為に活かそうとするアルミンと、危険だから排除しようとする駐屯兵団現場指揮官のやり取りです。
私は、考えることをしていない人を見た時に、いつもこのアルミンの考えることを放棄しているという言葉が頭を過ぎります。
このエレンやアルミン、ミカサの危機を救ったのが、ピクシスでした。
ピクシスは、人類の最重要区防衛の全権を託された最高責任者であるとともに、生来の変人としても知られる人物です。
発言をする際に、どのような主張をするか以上に、誰に訴えかけるかが大切になります。
親しみやすい人に訴えかけると、その人達は本能的に微笑み返します。このような人達は、同調することを最優先に考える為、対立することを避けようとして、批判的な意見は敬遠します。
これに対し、とげのあるような上司は、現状を擁護することよりも、組織をよくすることを重視する傾向にあります。また、とげのある上司は反論してくる可能性が高い為、こちらもよく考えて発言するようになるという良い効果もあります。
常に笑顔で頷く人よりも、ピクシスのように、変人として知られる人物に提案をする方が、上手くいく可能性が高いです。
研究によると、現状に異議を呈したことのある管理職は、新しいアイデアに対してより寛容で、他者から提案があっても、それを脅威と捉えない傾向があることが証明されています。
組織の中で、何か発言をする時、このような再現性のあるデータを頭に入れて、発言する相手を見極めることで、あなたの意見が通る可能性は高まるかもしれません。