「続いて栗林選手。高校生でここまでの活躍、本当に驚きです。高校生というハンデをほとんど感じさせませんでしたね。素晴らしい動きを見せてくれました。」
「トップの練習には以前から参加させてもらっていたので、そうですね‥動きについていけないということはなかったです。」
「ええ、全く見劣りしませんでしたよ。これからフィジカルトレーニングで今の細い体がしっかりとした体幹になれば‥当たり負けという弱点も消えてさらにー」
「インタビュアー泣かせなんですよ、栗林選手。つまらない質問、無意味な質問だと、まるでこちらの意図を見透かすような目をする‥やりにくいと評判です。」
…つまらない?今の質問が?…
『アオアシ』試合後の栗林のヒーローインタビューのやり取りと、杏里の言葉と葦人の脳内言葉です。
♦何故Jリーグを観る気になれないのか?
私は、Jリーグの試合を観る気になれません。
その理由は、多々ありますが、1つに、リズムが一定である事が挙げられます。
①GKウナイ・シモン→スピメンディ
②スピメンディ→ルノルマン:1度組み立て直す
③ルノルマン→Nウィリアムズ:ロングパスにより視点を変える
④スピメンディ:ドリブル→パス
⑤ペドリ:スルーパス:ディフェンスラインを下げる
⑥ククレジャ:クロス
⑦Nウィリアムズ→オヤルサバル→メリーノ得点
ワールドカップ予選スペインVSトルコ、スペインの2点目です。
スペインの選手は、何か特別な事をやっているわけではありません。
では、何故特別な事をやっているわけではないスペイン代表が、現在代表レベルで頭1つ抜けているのでしょうか?
その答えは、スペインの各選手が「止まる動き」を有効的に使っているからです。
たとえば、3度パスの出し手となっているスピメンディは、毎回キックの種類やコースを変える事で、リズムを生んでいます。
中でも、ペドリとの呼吸は抜群であり、スピメンディは、パスを出す前に、相手を引き付け、ペドリに十分な時間とスペースを与えています。
「米津さんには、軸を感じる。マスを揃える感覚。」
「私が、その逆で、ズラしていく。軸をズラす事で、軸を意識して貰う。」
『チェンソーマン』エンディング『米津玄師×宇多田ヒカル』における宇多田ヒカルの言葉です。
ペドリも、スピメンディの意図を汲み、無駄に動く事なく、パスを受けています。
日本人は、サッカーをやり始めた幼少期の頃から動く=善であるという謎の価値観を、大人に植え付けられます。
動いていない=サボっているとされ、実はサッカーをあまり知らない指導者に、怒られるという環境の中で、サッカーをしてきた事が、この背景に挙げられます。
Jリーグにおいても、これは同様です。
「こっちのチーム来んなよ天童!!妖怪は、人間チームに入れないんだぞ!!」「たしかに妖怪ぽい。」
「覚ィ!!何回言わせんだ!直感だけで、跳ぶんじゃない!」
「でも俺一人の直感だけで、何点も獲ってますよ?」
「いつもそうとは限らないだろう。個人技には、限界があるんだ。」
「今が気持ち良くなきゃ意味無いですもん。」
「……。」
「天童が居ると、いちいち練習止まんだよなー‥休めていいけど。」「ていうか何か怖いよな天童。何考えてるか、わかんない感じがさ。」
…あの顔を見た瞬間から、俺は、ワンタッチで満足なんかできない…
「俺は、俺が気持ちの良いバレーがやりたいんです。」
「……点が獲れるなら、何の文句も無えよ。」
『ハイキュー』覚の子ども時代の回想です。
♦フィジカルは、トップレベルでは役に立たない
日本人の選手・指導者は、停止・休止を、理解出来ていません。
その為、チームにテンポが、生まれないのです。
新幹線が速く感じるのは、電車が新幹線より遅いからです。
高速道路で走る車が速く感じるのは、一般道を走る車が高速道路で走る車より遅いからです。
その点、世界一のリーグであるプレミアリーグが、速いだけになっている事に、私は、一抹の不安を感じています。
技術を極めて、サッカーを理解して、テンポを作れるようになれれば、どんなポジションになっても、フィジカルではなく、フットボールにより勝負を制する事が出来るようになります。
★もっと走れ
☆筋肉を鍛えろ
★とにかく動いて、声を出せ
仮に、そんな愚かな指導者に、ペドリがいたらといたらと思うと、ゾッとします。
そのような指導者や、そのような価値観は、フットボールを潰してしまいます。
「ー僕は、フィジカルという言葉は、テクニックのない人間の言い訳だと思っています。今の自分に何が必要かは‥自分が一番よくわかっています。自分以外でわかるとすれば、ユースの福田監督。それぐらいなので。」
「わ、わかりました。以上、本日のヒーローインタビューでした。」
『アオアシ』試合後の栗林のヒーローインタビューのやり取りと、杏里の言葉と葦人の脳内言葉です。