創造性への偏見

 私は、何か買う時「未来を感じるか。」というものを基準の軸として持っています。

 10年かけてスマートフォンが世の中に定着したように、今後10年かけてスマートウォッチが世の中に定着するようになると予想しています。

 現代では多くの人が「創造性を高めたい。」と言い、「もっと良いアイデアを出せ。」と上司から言われ、頭を悩ます人も多いです。

 このような点から、誰もが頭では創造性が大切であることを理解しています。

 しかし、私達の多くは、心の底では、新しいアイデアを嫌っています。

 ある実験では、7割以上の人は、無意識下では創造的なアイデアを嫌いすでに効果が確認されていた実用的なものを好む上、多くの人がいかに新しいアイデアが正しくても、中々それを受け入れることが出来ないという結果が出ています。

 歴史を振り返っても、地動説然り、種の起源然り、現代では当たり前とされていることも、その時代の常識に阻まれ、認められるのに数十年を要しています。

 この実験は、ペンシルべア大学で行われた為、日本で実施すればこれ以上の創造性への偏見の結果が出ることが予想出来ます。

 この実験結果から、私達の中には生まれつき創造性を嫌う心理が備わっており、心の底では新しいアイデアを遠ざけていることが理解出来ます。

 このことも、人類史を振り返ると納得が出来ます。

 人類の祖先が生活をしていたアフリカの草原は、危険に溢れていました。いつ猛獣に襲われるかわからず、水を飲むのにも常に感染症のリスクと隣り合わせです。

 そのような状況では、積極的に新しいアイデアを試すよりも、昔ながらの伝統に沿った行動をとる方が生存確率は上がります。

 このような環境で生きていくうちに、私達の中には自分でも知らぬうちに創造性を嫌うシステムが備わりました。

 これらのことから、いかに新しいアイデアを生み出すかというよりも、いかに新しいアイデアへの恐れを乗り越え創造性を受け入れることが出来るのかを考えることが、科学的に適切なマーケティングになります。