…こ、こんなに後ろなん?サイドバック…
…背中、背中背中背中‥背中…
…FWと、光景が全然違う。敵が、すごく多い。だから見える全員…
…敵も、味方も、全部見渡せる位置なんだな、サイドバックって…
『アオアシ』葦人の脳内言葉です。
♦「相手の視点になって考えろ」は曖昧である
「相手の視点になって考えろ」
あなたも、1度は言われた事や言った事があるのではないでしょうか?
子育て・恋愛・仕事・スポーツ等、人が関わる全ての場面において多用される上記の言葉ですが、私は、上記の言葉が曖昧であると感じています。
あなたは「相手の視点になって考えろ」という言葉を、どのように捉えていますか?
☆相手がどこを見ているのか
★相手の立場になる
「視点」という言葉は「相手がどこを見ているのか」という意味と、「相手の立場になる」という意味で、使われている場合が混じっています。
「お客様の視点になって考える」という例から、考えていきましょう。
まず「お客様がその商品を選ぶ時に、どこを見て決めているのか?値段なのか?デザインなのか?ブランドなのか?」等というように「相手がどこを見ているか」という意味合いで使われます。
もう一方は「お客様は、買いたいと思っているけれど、パートナーの許可がないと買えない」等というように「お客様の立場になる」という意味合いで使われます。
このように「相手の視点になって考えろ」には、複数の意味合いが含まれています。
受け取る人によって、その意味合いが異なる為、ミスコミュニケーションが、起こるのです。
「青井選手には、まっ先にひもといてほしいことがあります。栗林選手は、以前インタビューで、こうおっしゃってました。僕は、いかなる局面でも、どれを選んでも正当となる4つの選択肢を持ち、一つを選ぶ。」
…4つ!?正当を4つ‥4つだって!?4つどころか…
「選択肢なんて‥俺にはない。これぞと思うプレーは‥いつも‥一つだ…」
『アオアシ』杏里の言葉と、葦人の脳内言葉と、言葉です。
♦視点を紐解く
「視点」という言葉のみでは、受け取る人によって解釈が大きく異なる為「視点」という言葉を、紐解きます。
①視点②視野③視座。
①視点:対象物のどこを見るか
②視野:どこまで見えるか
③視座:どこから見るか
3つの説明をより理解しやすくする為に、Googleマップを、思い浮かべてみて下さい。
①視点:入力した住所を示すマーク
②視野:地図が見えている範囲
③視座:ズームマイナスボタンを押し、地図を空の高い所から見た時
もう1つ、理解しておきたいのが「視差」という言葉です。
「視差」とは「同じものを見ていても、見えているものが違う」事を言います。
「パスからメッセージが伝わらないの?それ以前に、今の僕らのポジショニングやボールの運び方を見たら、意図ぐらい察知できるはずだ。」
…意図‥?ポジショニング‥?パスのメッセージ‥?なんや?何言ってるんや?…
『アオアシ』黒田の言葉と、葦人の脳内言葉です。
♦「視差」が生まれる理由
①無知:視点を知らない
②偏見:視点が固定している
③1つの舞台(ばしょ)に留まり過ぎている:視座が固定している
「視差」が、生じる原因です。
上記の3つが「観察力」を鈍らせます。
「知らないものは見えない」が、①です。
「興味のないものは見えない」が、②です。
「新しい事に挑戦しない」が、③です。
では「観察力」を上げるには、どうしたらよいのでしょうか?
「‥遊んどるわ。飛雄くん、マジメで頭のカタいイイコチャンやと思っとったのに、1セット(さっき)と違うローテで、遊んどる。」
「1セット落として、2セット目も接戦。しかも、今日2試合目やのに、+a(プラスアルファ)を試しとるんや。合宿からの変わり様はなんやねん。腹立つわー。」
「強いって、自由だ。」
『ハイキュー』侑と日向の言葉です。
♦強いって、自由
強い事は、自由。
さらに、紐解くと、自由とは、自分で様々な選択肢を持つ事が出来る事です。
「何の為に、勉強をするのか?」
「何の為に、お金を稼ぐのか?」
「何の為に、子どもに良い教育を提供するのか?」
これらの答えは、選択肢を持つようになる為です。
数カ月の勉強で獲得出来る資格よりも、数年単位で勉強しなければ獲得出来ない資格を持っている方が、選択肢を多く持つ事が出来ます。
10万円の貯金しかない人よりも、1千万円の貯金がある人の方が、選択肢を多く持つ事が出来ます。
名も知らない大学卒業の学歴よりも、誰もが名を知る大学卒業の学歴の方が、選択肢を多く持つ事が出来ます。
強いって自由であり、自由とは選択肢を多く持つ事なのです。
「自由」を訓読みすると「自らに由る」や「自分に理由がある」と読む事が出来ます。
つまり「自由」とは好き勝手にやるという事ではなく「自分がやりたい」「意味がある」と思える選択をする事が出来る状態や、選択肢が複数ある中で自分の価値基準により選ぶ事が出来る状態を言います。
このように考えると「自由」の対義語は「他由」となります。
この続きは、また後程。