「出来(いずく)って、デクって読めるんだぜ!!」
「かっちゃん、すげー字読めるの!?」
「読めねーの?」
「んで、デクってのは何も出来ねーやつのことなんだぜ!!」
「やめてよぉ。」
「かっちゃん、すげー頭ヤベー!」
…何で知らねーの?…
「すげぇかっちゃん、何回跳ねた!?」
「7だぜ!」
「デクは!?」
「0回‥。」
…何で出来ねーの?…
「おぉ~こりゃまたすごい個性だなあ!ヒーロー向きの派手な個性ね!勝己くん!」
…あ、そっか。俺がすげーんだ。皆、俺よりすごくない!…
「デクって個性がないんだって。」
「えー」「ムコセ―っていうんだって」「ダッセー」
…デクが、いっちゃんすごくない…
「かっちゃん落ちた。」「おーい大丈夫かー!?」
「大丈夫だろ。かっちゃ強えーもん。」「早く上がってこいよー。」
…大丈夫だったんだ!何ともなかったんだ!」
「大丈夫?たてる?頭打ってたら大変だよ!」
…俺を、そんな顔で見てんじゃねぇ!…
『ヒロアカ』爆豪勝己(かっちゃん)の幼稚園時代の回想です。
「JUNPの王道」と評される事が多い『ヒロアカ』ですが、その本当の魅力は、そことは別にあります。
『ヒロアカ』の本当の魅力とは「努力・友情・勝利」という物語にあるのではなく、また『鬼滅の刃』に代表されるような敵が敵になった物語だけにあるのではなく、助けられた側の苛立ち・屈辱、追われる側の言葉では表現出来ない気持ち、選ばれなかった側の気持ちという、これまでの漫画では描かれてこなかった人の心理描写にあります。
助けられた側が、助けた側を信用し、仲間になる物語は多いです。
助けられた側が、助けた側を憧れ、努力を重ね、自分も助ける側になる物語も多いです。
『ONEPIECE』が、その典型でしょう。
しかし、冒頭の「かっちゃん」の様に、助けられた側の苛立ち・屈辱を描く物語は、中々ありません。
『ハイキュー』が及川徹の物語であるように、私は『ヒロアカ』は、そんな「かっちゃん」の物語であると思っています。
事実、物語の最初に大きな壁を与えられた主人公・デクよりも、その後の物語で幾度も壁を与えられるのは「かっちゃん」です。
後に、全世界で1億部を売り上げる日本を代表する作品となる『ヒロアカ』も、打ち切りの話が出ていました。
打ち切りの話が出た時に、作り上げた物語が、上記のコミック9話・アニメ7話「デクVSかっちゃん」です。
「今日‥俺はてめェに負けた!!!そんだけだろうが!そんだけ‥‥こっからだ!!俺は‥!!こっから‥!!いいか!?俺は、ここで一番になってやる!!!」
『ヒロアカ』かっちゃんの言葉です。
粘り強さは、才能や知性・戦略以上に、大切です。
絶対に諦めない姿は、何よりもの美徳です。
人生が計画通りにいかない時、どんなに小さな歩みでもいいので、とにかく前に進みましょう。
成否を分ける最大の習慣は、粘り強さを発揮する事です。
成功が訪れる前には、壁が立ちはだかる事がよくあります。
計画が上手くいかない時、それは一時的な敗北に過ぎないと考え、新しい計画を立てて、再び挑戦しましょう。
壁が立ちはだかった時、その時点で、殆どの人は、挑戦を諦めます。
殆どの人は、新しい計画を成功させる為の、粘り強さを持ち併せていません。
ただ、上手くいかない計画を、粘り強く実行する事は避けましょう。
もし、上手くいかなかったのなら、目標を達成する為の、計画を変更していきましょう。
目標の為に、計画を柔軟に変更していく事も、粘り強さの1つです。
粘り強さとは、目標を達成するまで、粘り強く取り組むという意味です。
壁に直面した時、そこで投げ出さずに、粘り強く取り組んでいきましょう。
「何で!!ずっと後ろにいた奴の背中を追うようになっちまった!!」
「クソザコのてめェが力をつけて‥!オールマイトに認められて‥強くなってんのに!なのに、何で俺はっ俺は‥‥オールマイトを、終わらせちまってんだ。」
『ヒロアカ』かっちゃんの言葉です。
あなたは、子どもの頃、どうやって歩き方を学んだでしょうか?
何度も転び、失敗をし、歩き方を学んだはずです。
倒れては起き上がる事を、何度も何度も繰り返しましたが、それは悔しい気持ちとともに、寧ろ楽しい事だったはずです。
ところが、一定の年齢になると、失敗の楽しさがなくなります。
突然、あなたは失敗をしたら恥ずかしいと思うようになり、失敗を避けるようになります。
自分が、どうやって学んできたのかを、思い出しましょう。
失敗する以外に、学んで成長する方法は、ありません。
失敗をして、失敗から教訓を学びながら、挑戦を続ける事が、成功する為の最も合理的な方法です。
失敗をすればする程、成功に近づいていくのです。
時には、自分の言葉にならない感情を、ぶつけてみましょう。
そうやって失敗をし、人との付き合い方を知り、そして、自分自身を知っていくのです。
自己啓発本を、読む必要はありません。
全て『ヒロアカ』から、学ぶ事が出来ますから。