君らは、私達を見つけないだろう。しかし、犠牲者であろうが加害者であろうが、君の番号が現れたら、我々が君を見つけるだろう

 

 …君らは監視されている。政府は、秘密の仕組みを持っている。マシーン。それは君らを監視する。毎日毎日。私は、知っている。私が作ったから…

 …私は、テロ活動を検知するようマシーンを設計した。しかし、それは全てを目撃する。一般人が巻き込まれる凶悪犯罪。君のような人々。政府が関係ないと見放す犯罪。政府は、決まって動かない。だから、私が動く…

 …しかし、パートナーが必要だった。誰かスキルを持つパートナーが。当局に追われて、我々は秘密裏に行動する…

 

 …君らは、私達を見つけないだろう。しかし、犠牲者であろうが加害者であろうが、君の番号が現れたら、我々が君を見つけるだろう…

 『パーソンオブインタレスト』フィンチの言葉です。

 

 

 犯罪は、何故起きるのでしょうか?

 犯罪を防ぐには、どのようにしたらよいのでしょうか?

 

 日本で活用される手法は、犯罪を起こした人に注目する方法です。

 「あの人は、何故犯罪を起こしたのか?」を分析します。

 この手法は、犯罪を動機から分析する考え方で、犯罪原因論と呼ばれています。

 犯罪原因論では、犯罪者の心理のみならず、家族状況や仕事、社会情勢等、様々な原因を取り扱います。

 

 しかし、犯罪の動機を持っていても、その人の目の前に「他の人に見つかる事なく、犯罪を実行出来る」と思える場所がなければ、基本的には犯罪は起こりません。

 逆に言えば、犯罪が実行された場所とは、犯人に「ここなら実行出来る」と思わせた場所であると考える事が出来ます。

 その為、犯行現場の特徴を分析すれば、犯罪が起きやすい場所の傾向が見えてきます。

 このように「何故犯罪がここで起きたのか」を分析する手法を、犯罪機会論と呼びます。

 

 

 上記の通り、日本では犯罪原因論が主流であり、犯罪機会論は、ほとんど知られていません。

 これに対し、アメリカやヨーロッパでは、犯罪者の更正に犯罪原因論を、防犯に犯罪機会論を用いるという役割分担がされています。

 犯罪機会論は、犯罪の心理を理解して、更正させるのに役立ちます。

 犯罪機会論は、犯罪が起きにくい場所をあらかじめ作る事が出来、防犯に繋がります。

 

 犯罪機会論を活用すれば『パーソンオブインタレスト』のように、犯罪が起こる前に犯罪を止める事も可能となります。