営業を科学する

 

 「え!?ミネルヴァ不動産に物件を紹介された?」

 「うん。これこれ。下井草の中古戸建て。」

 

 「ちょっと高いかなって思ったんだけど、立地や間取りは、バッチリでさ。来年、娘が小学生になるんだ。子ども部屋も必要だろうし、そろそろ家を買おうかなって。」

 「申し込みが殺到してるらしく、返答急かされてて。念のため、菅沼の意見を聞いておこうかなって。まっ‥家を買ったら今までみたいに、趣味にお金をかけられなくなるけどな。」

 

 「仲介じゃなくて、ミネルヴァ不動産から購入するの?」

 「ああ。最初は仲介って話だったんだけど、買取再販もしてて、理想通りの物件を買い取ったばかりだって。」

 「‥それって、‥他人物売買。」

 

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  『正直不動産』佐久と菅沼の会話です。

 

 

 

 

  ♦営業を科学する

 

 昨日、弊社において、東京都庁から、不動産業の免許申請が通った旨のハガキが、届きました。

 その影響により、昨日は、不動産業に関する営業の電話が、相次ぎました。

 これまでも、経営者・ケアマネジャー等の仕事柄、営業の電話や飛び込み営業等が多く、2018年以降は、これに対応していたら仕事にならないのと、実際に「会いたい」と言う人に会った所で、90%以上の人は「会った所で、こちらにメリットが何もない。若しくは掴むべき知識がない」事ばかりだった為、営業の殆どを断っていました。

 

 ただ、不動産という今までとは異なる分野に挑戦する為、業界を学ぶチャンスと思い、7年振りに、営業の人とも会ってみる事にしています。

 

 

 営業という言葉を聞いて、あなたは、どんなイメージを持ちますか?

 

  ★仕事の邪魔

  ☆ノルマやプレッシャーがキツイ

  ★人を騙す

 

 上記のように、殆どの人が、営業にネガティブなイメージを持っているのではないでしょうか?

 

 

 私自身、以前営業の人からの提案に対し、断るような返答をしたら「買ってくれるまで、帰る事が出来ません。」等、謎の言葉を投げかけられ、警察を呼ぼうとした事があります。

 このようなスタイルで、営業をしていても、一定数の人を騙す事は出来ても、継続して成果を出す事は出来ません。

 

 

  ★お客様と関係が構築出来ていないんじゃないか?

  ☆もっと行動量を増やせよ

  ★今は未達なんだから、目標達成を意識しなさい

 

 

 成果が上げられない営業が、マネジャーに相談をすると、マネジャーは、上記のような言葉を、営業に投げかけます。

 事実、昨日弊社に営業に来た不動産会社の人も「私は、部下にまずはお客様と信頼関係を構築するようにと言っています。」と言っていました。

 

 実際の所、マネジャーも、営業を成功させる具体的な方法が、わかっていません。

 マネジャーが、営業をしていた頃と、商品や広告・時代背景等も異なる為、抽象的な正論しか言う事が出来ないのです。

 

 

 

 

 

 「他人物売買ってのは、民法上認められてる取引で、不動産業界でもよくある話さ。」

 「え?」

 「簡単に言うと、購入のための売買契約を結んだ買主が、所有権がまだ移っていない状態で第三者に売るって取引のことなんだ。」

 

 「第三者の為にする契約ってのは、生命保険をイメージするとわかりやすいかな。」

 「生命保険?」

 「保険会社と夫が保険契約をして、受取人を妻とするだろ。でBが死んだときー妻は保険会社に対して、生命保険金を給付するように請求できる。」

 「なんとなくわかったけど、なんでそんな面倒なことするんだよ?」

 

三為とは?(新)中間省略登記とは? 基本を簡単に解説します | 関口法律事務所

 

 「それぞれにメリットがあるからね。物件を売りたい人は普通なら購入希望者が現れるまで売却できないけど、不動産会社が買ってくれること自体がメリットだよね。」

 「それに中古住宅を購入して住む場合って、多かれ少なかれ、リフォームが必要になったりするものなんだ。不動産会社がリフォームを請け負うケースが多いから、買主はリフォーム済みの物件に、翌日からでも住めるようになっている。」

 

 「とはいえ、一番メリットがあるのは、やっぱり不動産業者かな。」

自宅の買い替え時、売るより先に買うと陥る「トリプル両手」|不動産業界の闇に切り込むコミック【正直不動産】(後編) |  サライ.jp|小学館の雑誌『サライ』公式サイト

  

  『正直不動産』菅沼と佐久の会話です。

 

 

 

  ♦営業を科学する

 

 具体的な指導方法がわからないマネジャーが、頼るものは、何だと思いますか?

 

  ①目標達成プレッシャー

  ②大量行動

  ③関係構築

 

 上記3つが、八咫鏡・草薙剣・八尺瓊勾玉に並ぶ、具体的な指導方法がわからないマネジャーの3種の神器です。

 

 上記の3種の神器に依存し、努力以外の武器を増やす事が出来ない指導が、営業の課題であると、私は、考えています。

 

 

 これにより、多くの営業が「頭で考えるより、考える事をやめて頑張る方が、マネジャーに叱られない」というような世界観を持ち始めます。

 こんな状況が続けば、営業は追い詰められ、心が壊れてしまいます。

 

 また、異なる視点を持てば、あなたがお客様であったとして、上記のような営業と、関係を構築したいと思うでしょうか?

 勿論、上記のような指導方法を受けても、心を壊す事なく、成果を上げる事が出来るごく一部の営業もいます。

 しかし、ごく限られた人以外の、多くの普通の人は、マネジャーの言葉を真に受けて努力をする事で、思考がストップして、心が壊れていきます。

 

 そんな営業に向けて「何故、そんな簡単な事が出来ないんだ。もっと頑張れ。」と叱咤激励が飛ぶ。

 これが、営業の世界です。

 

 

 では、その状況から抜け出す為には、どのようにしたらよいのでしょうか?

 この続きは、また後程。