「金を掘ったヤツに金持ちはいない。」
「つまり‥良い株を探すことは、金を掘ることと同じ‥。」
「そうだ。円安で輸出関連が上昇する。値上がりをもっと見込んで買いに走る。しかし、スコップを担いで山に登ったのでは、もう遅い。良質な鉱脈は、すでに掘り尽くされているのだ。円安による輸出好調で、一番儲けたヤツは誰か?」
「それは、円高の時に輸出関連を買ってたヤツ。つまり、円高で不振の輸出株がボロ株と言われ、誰も見向きもしない時、そのボロ株を買い込んでせっせと仕込んでたヤツ。西海岸は近い将来、飛躍的に発達すると確信を持って、鉄道を敷いた人が莫大な利益を手にできたのと同じだ。」
『インベスターZ』神代と財前の会話、そして、神代の言葉です。
2024年2月16日、バブル絶頂期であった1989年12月29日最高値をつけた日経平均の38,915円を超えるのではないかという場面がありました。
2024年1月から「新NISA」が始まった事も追い風となり、日経平均が上がり続けているという物語を信じる事も出来ます。
ただ、私には「新NISA」は、国が「もう年金では将来の高齢者を支える事は出来ないから、自分で何とかしてね」というメッセージにしか聞こえませんが‥。
日本株が上昇している要因を探っていきましょう。
①外国人投資家
②円安
③中国から日本への資金シフト
④東証PBR改革
⑤半導体・AI関連
⑥企業業績
上記6つが、主な理由として考えられます。
では、2024年1月日本株を買っているのが、誰かを見てみましょう。
最も日本株を購入しているのは、外国人投資家です。
外国人投資家は、2兆円日本株を買い越しています。
これに対し、個人(日本人)・法人・金融機関等は、売り越しています。
この事から、日本株上昇の理由を「新NISA」に求めるのは、少々無理があると結論つける事が出来ます。
さらに、ここから上記の日本株が上昇している理由の②~⑥全てが「何故日本株が上がっているのか?」ではなく「何故外国人投資家が、日本株を買っているのか?」という問いの理由になっていると推測する事が出来ます。
経済と株価は別であると捉える事も出来ますが、バブル絶頂期と現在で異なるのは、日経平均の上昇と日本人の給料や暮らしの豊かさに相関関係がない事です。
バブル絶頂期に日本株に投資をしていたのは、殆どが日本人でした。
しかし、現在日本株に投資をしているのは、殆どが外国人投資家なのです。
これが、日経平均上昇に対する私の考える舞台裏です。
「常識という餌をバラ撒けば、大衆はワンサカ食いついてくる。食いついた魚は、片っ端から釣りあげられ、商売の材料に使われるのさ。もっと先を読めば、その常識をバラ撒いたヤツがいる。その常識で、一儲けを企む国や企業だ。」
『インベスターZ』神代の言葉です。