「俺には、わからない。ずっと、そうだ‥。」
「自分の力を信じても‥信頼に足る仲間の選択を信じても‥結果は誰にも‥わからなかった。」
「だから‥まぁせいぜい‥悔いが残らない方を、自分で選べ。」
『進撃の巨人』リヴァイの言葉です。
♦やらなかった事に対する後悔は、大きく、そして、長く残る
挑戦して失敗した後悔より、挑戦すらしなかった後悔の方が、後々まで尾を引く。
これは、多くの人が直感的に感じている事でもありますが、心理学的にも、裏付けられている事です。
1994年コーネル大学において、①行動に関する後悔と、②行動しなかった事に関する後悔の違いを調べる研究が行われました。
★短期的には「やってしまった」事に対する後悔を強く感じる
☆長期的には「やらなかった」事に対する後悔の方が大きく、その後悔は持続する
研究の結果、上記のような結論が導き出されました。
この理由は、どこにあるのでしょうか?
やらなかった事には「若しかしたら、上手くいっていたかもしれない」という可能性や未練が、ずっと残ります。
行動して失敗した事は、経験として整理しやすいものです。
これに対して、行動しなかった事は、成功の可能性も、失敗の可能性も、検証すら出来ません。
その結果「あの時、動いていれば、何かが変わったかもしれない」という思いが、心に残り続けます。
これが、長期的には「やらなかった」事に対する後悔の方が大きく、かつ、持続する理由です。
「お前自身も、後悔させるな。それが、お前の使命だ。」
『進撃の巨人』リヴァイの言葉です。
行動しない事への後悔の大きさは、人生の、様々な場面で、確認されています。
☆進学
★転職
☆独立
★恋愛
☆結婚
★人間関係
☆発言をしなかった事
★旅行に行かなかった事
行動しない事への後悔の大きさは、進学から転職・結婚から、発言をしなかった事や旅行に行かなかった事に至るまで、人生を変える選択から、日々の生活まで、様々な事が、含まれます。
家族や友達に、後悔している事を、質問してみてください。
その返答の多くは「挑戦しなかった事」「気持ちを伝えなかった事」等、行動しなかった事に、関わるものである事が多いです。
「よせ、後悔はするな。後悔の記憶は、次の決断を鈍らせる。」
「そして決断を、他人に委ねようとするだろう。そうなれば、あとは死ぬだけだ。結果など誰にも分からないんだ。」
「一つの決断は、次の決断のための材料にして初めて意味を持つ。」
『進撃の巨人』エルヴィンの言葉です。
♦やらなかった後悔を、強く感じる理由
何故、人は「やらなかった後悔」を、これ程、強く感じるのでしょうか?
後悔とは、比較により生まれる感情だからです。
私達は、実際に起きた事だけではなく「もし、こうしていればどうなったか」という仮想の選択肢と比較する事で、現在の自分を評価しています。
☆行動した結果の失敗→「これが現実だ」と納得しやすい
★行動しなかった場合→「別の可能性」を何度も思い描く
私達は、行動しなかった場合には「別の可能性」を何度も思い描いてしまいます。
そして、その後悔は「終わらない物語」になってしまい、あなたの頭の中に、あなたが、死ぬまで住み続けます。
別の視点からも1つ。
人の脳は「不確定なもの」「未完了なもの」等を、気にし続けるという性質を、持っています。
コロナウイルスによるパンデミックを経験した現在を生きる私達には、この人の性質は、身に染みているはずです。
心理学では、この性質を「ツァイガルニク効果」と呼びます。
不確定・未完の課題程、記憶に残りやすいという心理的傾向です。
「やらなかった」事は、まさに、終わっていない経験であり、何年経っても、忘れられずに残り続けます。
…全国2位が何やねん。2位?3位やったっけ?…
…どっちでもええわ。昨日の事や…
…昨日は、もう消化した。たくさんの昨日は、もう筋肉になっとる…
…今日何をする?…
…昨日を守って、明日何になれる?…
『ハイキュー』宮侑の脳内言葉です。
1歩踏み出すのは、誰でも、いつでも、勇気のいる事です。
ただ、研究が教えてくれるのは、少し無理してでもやってみた方が、後から自分を誇れる可能性が高いという事実です。
ー昨日の敗者達、今日のお前は何者だ?ー