…幸せの道は、ずっとずっと遠くまで続いているって、思い込んでいた…
…破壊されて初めて、その幸福が、薄い硝子(がらす)の上に乗っているものだと気づく…
『鬼滅の刃』胡蝶しのぶの脳内言葉です。
♦伝説は、続く
★公開3日間で、2,101,000(210万1千人)の動員
☆公開3日間で、興行収入3,090,000,000(30億9千万円)
★公開8日目で、興行収入10,000,000,000(100億円)超え
いずれも、日本映画史上NO1の数字です。
2020年以来、5年振りに、日本は『鬼滅の刃』に、魅了されています。
ちなみに、現在の歴代興行収入1位は『鬼滅の刃 無限列車編』です。
ほぼ確実に、現在公開中の『鬼滅の刃 無限城編』が、歴代興行収入1位となるでしょう。
映画館で再現された完璧なまでの無限城、『ロードオブザリング2つの塔』『アベンジャーズ・インフィニティ―ウォー』を思い出させるような行きつく暇なく同時進行で描かれる複数の戦い、そして、しのぶ・善逸・猗窩座と泣きっぱなしの物語。
また、映画館から出たあなたは「鬼の気持ちの方が、理解出来る」と思うのではないでしょうか?
善悪という単純構造ではない物語こそ、平成後期から育てられてきた日本の漫画・アニメの真骨頂です。
これにより、物語に深みが生まれ『JUMP』や漫画で物語を知っていたとしても、アニメや映画で、もう1度観ても、泣く事が出来る理由です。
現在、映画の最前線も、ハリウッドでも、ディズニーでも、ジブリでもなく『JUMP』にあります。
…できる、できないじゃない。やらなきゃならないことがある…
…「怒ってますか?」…
…そう、私怒ってるんですよ。炭治郎君。ずっとずーっと、怒ってますよ…
…親を殺された。姉を殺された。カナヲ以外の継子も、殺された…
…あの子たちだって、鬼に身内を殺されていなければ、今も、家族と幸せに暮らしてた…
『鬼滅の刃』胡蝶しのぶの脳内言葉です。
♦2丁の銃が、日本史を大きく動かす
『鬼滅の刃』は、タイトルの如く、刀で鬼と戦う物語です。
『鬼滅の刃』の舞台である大正時代から、時代を3つ遡る室町時代末期。
日本の未来を左右する物が、日本に入ってきました。
それが「火縄銃」です。
1543年8月25日:ポルトガル商人を乗せた船が、種子島に到着
歴史の教科書には「種子島の人々が「火縄銃」の生産に成功し「火縄銃」が瞬く間に、日本中に広まり、信長を始めとする武将が戦で使い始めた」等と描かれています。
歴史を年表で見ると、そうですが、歴史の醍醐味とは、年表の間に隠されている物語に、あります。
勿論「火縄銃」にも、年表の間に隠されている物語があります。
まず、ポルトガル商人を乗せた船ですが、最新の研究で、この船は、中国のジャンク船である事が、わかっています。
王朝(おうちょく)という中国の闇商人が、ポルトガル人を乗せた密輸船だったのです。
王朝は、日本に「火縄銃」を売り、一儲けしようと企んでおり、これがポルトガル人とも利害一致し、日本に売り込みにきたのです。
その証拠に、王朝は、日本語を話す事が出来ました。
王朝が、種子島の人々とポルトガル人との通訳をする事により、当時の種子島の領主である種子島時尭(ときたか)は、銀37㎏を支払い「火縄銃」を2丁買い取ります。
当時の銀37㎏を現在の価値に置き換えると、いくらになると思いますか?
★銀37㎏=270,000,000(2億7千万円)
『鬼滅の刃』の興行収入には遠く及びませんが「火縄銃」2丁を購入するのに、種子島時尭は、2億7千万円ものお金を支払ったのです。
ちなみに、当時世界で流通していた通貨は、銀でした。
そして、日本では、銀が大量に産出されていました。
当時の世界一図に描かれている日本には「Japan=銀の国」と描かれています。
この為、ポルトガルを始めとする世界各国の国が、日本との取引、否、日本を支配しようとしていました。
しかし、ポルトガル・スペイン等、当時世界各国を植民地化していた強国も、日本を支配する事は出来ませんでした。
世界の列強が銃を当たり前に戦に使っていた時に、ようやく「火縄銃」が、始めて入ってきた小国である戦力的には弱小の日本が、世界の列強に支配されなかったのは、何故でしょうか?
その理由は、また日程。
また、種子島時尭が、2億7千万円もの大金を支払って「火縄銃」を購入したのでしょうか?
実は、時尭にも、理由がありました。
「火縄銃」が、種子島に渡る6ヵ月前。
時尭は、薩摩(現在の鹿児島県)の禰寝(ねじめ)氏に、種子島を攻め込まれ、敗北してしまいます。
この敗北により、時尭は、領地であった屋久島を失う事になります。
小国である種子島時尭が、薩摩の武士達と戦い勝利し屋久島を取り返すには、武器が必要です。
偶然か必然か、そんな時に、時尭の元に「火縄銃」が、現れたのです。
歴史の年表の間には、様々な人の物語があります。
さらに、様々な人の思惑もあります。
「火縄銃」を手に入れた時尭。
そして、ヨーロッパの列強の支配に合う窮地に立たされていた日本。
日本の運命も、偶然か必然か「火縄銃」により、大きく動く事となります。
この続きは、また日程。