♦いかなる攻撃を受けても、炎と共に再生する
…昔、インドにジャカナ王とアシュタバクラという大臣がいました…
…王様がアシュタバクラに意見を求めると、いつも「王様、起きた事は全て最高でございます。」という返答が返ってきました…
…ある日、王様が指に怪我をしました…
…それでも、アシュタバクラは「起きた事は全て最高です。」と言った為、他の大臣達は、その事を王様に報告し、王様はアシュタバクラを牢屋に入れてしまいました…
…翌日、狩りに出掛けた王様は、人食い部族に捕らえられてしまいました…
…王様は、身ぐるみをはがされ、木に縛られ、火あぶりにされる事になりました…
…その時、人食い部族の1人が、王様の指に傷がある事に気付きました…
…この人食い部族は、部族以外の人を捕らえると、火あぶりにして、神様への捧げものにするという伝統がありました…
…ただ、神様への捧げものに、傷があってはなりません…
…こうして、王様は、間一髪の所で、解放されました…
…宮殿に戻った王様は、アシュタバクラを牢屋から出して、謝りました…
『ジャナカ王とアシュタバクラ』のお話です。
この話の主題は「過去に起きた出来事を、どのように捉えるのが良いのか」という事です。
過去に起きた出来事の中で、良い事でも悪い事でもない、中間の出来事は、あなたの記憶から消えています。
あなたが覚えているのは、良い出来事か、悪い出来事かの、どちらかではないでしょうか?
良い出来事は、あなたの宝物だから、いつでも取り出せるような場所に保存してあります。
そして、時々取り出して、良い出来事を思い出して、元気な気持ちになります。
難しいのは、悪い出来事との付き合い方です。
まず、前提として、あなたに起きた悪い出来事自体を変える事は、出来ません。
変えられないのだから、その出来事自体は、受け入れるしかありません。
あなたに出来る事は、過去の悪い出来事に対する見方を変える事です。
「あたしが学校辞めたせいで、たまき、部活に居づらくなってたりせん?ほんまに、ごめんな‥。」
「ううん。それは‥大丈夫。」
「あたしな、ほんまに性格終わってるから、ずっと、たまきに嫉妬しててんな。喜田とたまきが、どんどん仲良くなっていくのが、気に入らんくて‥。あたし、最低なことしそうになって‥。」
「あっ‥でも別に、高校辞めるのは、たまきが原因じゃないから!元々集団生活に向いてなくてさ‥高校では頑張ろうって無理してやってたんやけど‥ほんまに迷惑かけてごめん‥。」
「そんな迷惑なんて‥。」
「短い間やったけど、たまきと、バンドやれて楽しかったわ。私のことは、もう忘れて、たまきは‥。」
『ふつうの軽音部』夏帆とたまきの会話です。
望ましくないのは、何かにつけて、過去の悪い出来事を思い出し「あれさえなかったらなー。どうしてああなってしまったんだろう」等という世界観です。
勿論「起きた事は、全て最高である」等と思う事は出来ませんし、そう思う必要もありません。
ただ「そういう考え方もあるかもね。そういう事にしておこう」等という程度で良いので、ひとまず、あなたの過去を受け入れてみましょう。
「たまき!前言ったバンドの話‥どう?村越とかもやりたいって言ってて、あとはボーカルだけなんやけど‥。」
「ごめん、やっぱり‥。」
「もしかして、夏帆のこと、気にしてる?」
「こないだ夏帆と話したけど、あいつも、今は新しい高校で頑張ってるみたいやし、たまきが今バンド組めなてないこと、ほんまに気にしとったから!」
「ごめんね。」
…喜田くんが、純粋に私とバンドやりたいって思ってくれてるのはわかるし、夏帆も本気で私を心配してくれてるんだと思う…
…でも私は‥軽音続けて何の意味があるのか、わからなくなっちゃった…
「喜田、お前たまきちゃんは、もう諦めろって。あの子、色んな子に告白されてるけど、みんな断ってるらしいやん。大学生の彼氏とか、おるんちゃう?」
「いや、そういうのとちゃうから。」
『ふつうの軽音部』喜田とたまきの会話、たまきの脳内言葉、軽音部部員と喜田の会話です。
♦過去の傷を持たない奴などいやしない。もしいるとすれば、それは薄っぺらな奴だ
過去を受け入れるという事は、今日(いま)の自分を肯定する事でもあります。
今日(いま)の自分を肯定する事が出来れば、心に余裕が生まれ、未来に視線を向けられる事が出来ます。
過去は過去の為にあるわけでは、ありません。
過去は、未来の為にあるのです。
…今さら、ひかり先生に会って、どうするつもりだったの?わざわざ、東京まで出てきて、バカみたいだね…
…夏帆のことも最初から、わかってたんでしょ?夏帆が、あんたに劣等感を抱いていたことも…
…夏帆は、喜田くんのことが好きで、喜田くんはあんたに好意を持っていたことも、全部わかってて気づかないふりしてたんだから、ほんと白々しいね…
…自分は何も知らない純粋無垢な人間みたいな顔して、本当に言いたいことは、何も言わないから、誰ともわかりあえないんだよ。あんたは…
…そんなだから、あんたはずっと、ひとりぼっちなんだよ…
『ふつうの軽音部』リトルたまきの脳内言葉です。
♦昨日の敗者たち、今日のお前は何者だ?
過去は変えられないけど、未来は変えられない。
聞き飽きた言葉ですが、私は、捉え方次第で、過去すらも変える事が出来ると考えています。
あなたの、世界観や行動は、あなたが、自分で選択する事が出来ます。
☆自分は、何をどう考えるか?
★自分は、どういう目標を定めて、どのように行動するのか?
☆自分は、どのような行動をし、どのような行動を習慣にしていくのか?
あなたのコントロール次第で、あなたの未来は、変わっていきます。
あなたの選択や行動・努力次第で、あなたの未来は、変わっていきます。
これにより、過去に対する捉え方も、変わっていきます。
ネガティブな出来事が起こったとしても、その3年後・5年後・10年後も、そのネガティブな出来事が、ネガティブな出来事のままであるとは、限りません。
☆あの出来事があったから、自分は、成長出来た
★あの出来事があったから、今、この仕事が出来ている
☆あの出来事があったから、ここまで努力する事が出来た
ネガティブな出来事があったからこそ、全体として、人生が良い人生になるのです。
「喜田くん、ほんとに今更、自分勝手で、ごめん。私、やっぱり、もう1回バンドやりたい。」
「何の意味もないかもしれないけど、私がやりたい音楽を、一緒にやってほしい。」
「ふつうの軽音部」たまきの言葉です。