「今回のポイントは、投手(ピッチャー)だ。」
「見たところ、マウンドに上がるのは久しぶりのようだし、突然名門シニアの男相手に投げるのは、緊張するだろう。」
「投手(ピッチャー)は、初球でストライクが取れると、かなり気が楽になるんだ。精神的な負担だけでも、取り除いてやれ。」
「投手(ピッチャー)の調子やレベル。打者(バッター)の調子や状況を見て、摺り合わす。これがリードだ。リードに、定義も絶対もない。」
『忘却バッテリー』要圭(智将)の言葉です。
♦日本人の雑談からは、何も生まれない
「お世話になっています。」
「どうも、お世話になっています。」
「今日は、寒くなりましたね。」
「そうですね。」
「お元気ですか?」
「お陰様で、元気にやっています。」
「それにしても、今日は急に寒くなりましたね。」
「そうですね。」
この会話からわかるのは、①今日は寒い②私は元気という2つのみです。
これは、わざわざ言葉を交わさなくても、向かい合うだけでも、わかる事です。
しかし、これが多くの日本人が実践している雑談です。
★社交辞令
☆演技
★決まり文句
日本人の雑談は、社交辞令・演技・決まり文句の3つで、構成されている事が多いです。
プライベートの場であればまだしも、ビジネスの場において、このような雑談を繰り返す事で、果たして結果を出す事が出来るでしょうか?
「投手(ピッチャー)を考慮せず、データと傾向を当てはめる机上の空論が、配球だ。」
「外に変化球を要求したくなる気持ちは、よくわかる。完全に様子見したいよな。」
「だが、打者(バッター)が打ちづらいボールは、投手(ピッチャー)にとっても、投げづらいんだ。」
「これは、ゲームじゃない。理屈をこねたところで、投手(ピッチャー)は、生身の人間だし、試合も生き物だ。」
「まずは、投手(ピッチャー)を主体に、組み立てることだ。」
『忘却バッテリー』要圭(智将)の言葉です。
♦自己開示をする事で、あなたの雑談が、配球からリードに変わる
あなたは「最近は、どうですか?」と聞かれた時に、どのような返答をしますか?
英語圏の人の場合、自己開示を含めた答えが返ってくる事が、殆どです。
「最近は、最悪です。仕事が忙し過ぎます。会社の組織の問題です。」
「最近は、調子がいいです。この間、出世をしたし、子どもも元気なので。」
上記のように「自己開示」をしながら、中身のある雑談を始めます。
※自己開示:プライベートな情報を含めて、自分の思いや考え方等を相手に率直に伝える事
「自己開示」をする事で、相手に「自分がどんな人なのか?」を知って貰う事が出来ます。
「自己開示」により、互いの警戒心を解きやすくなり、互いの心理的な距離を縮める事が出来ます。
あなたが、意識的に「自己開示」をすると、不思議な事が起こります。
相手も「自己開示」をするようになるのです。
相手が「自己開示」をしてくれたら、一歩踏み込んだ関係性を生み出す事が出来るようになります。
…俺も、絶対ノート読み返して勉強してたから、智将の言う内容は、頭に入ってる…
…けど、実践できてたかと言うと、全然ダメだった…
…勝ちたくて必死で、とにかく打者(バッター)をおさえたくて、自分のことでいっぱいいっぱいで、もっと投手(ピッチャー)のことを考えて組み立てれたら、葉流ちゃんにあんな顔さえずに済んだかもしれない…
『忘却バッテリー』要圭の脳内言葉です。
♦自己開示の球種を増やす
コミュニケーションにおける「自己開示」は、信頼関係を築く為に、欠かせません。
日本人の雑談は、定番のフレーズに隠れる事で「自己開示」をしない「自己開示」をしなくて済む雑談が多いです。
これに対し、英語圏の人の場合、定番のフレーズではなく、その人に特化した雑談になる事が、殆どです。
「今日は、寒いですね。」
「そうですね。」
「今日は、寒いですね。」
「寒くなってきましたが、そんな時の週末は、何をしているんですか?」
上記と下記の雑談のどちらが「自己開示」に繋がると思いますか?
当然、下記の雑談ですよね。
「週末は、子どもと出掛けています。寒くなってきたので、水族館に行きました。」
「お子さんと、水族館に出掛けられているんですね。私も、子どもと水族館に行きたいと考えていて、どちらに行かれたのですか?」
すぐに「自己開示」をして、自分を知って貰う事と同時に、相手が「自己開示」が出来るような質問をしていく事が出来れば、あなたもあなただけに特化した雑談をする事が出来ます。
…何が、佐古さんにとって、ベストなんだろう?…
「大分リラックスできただろうし、次はカーブでいこう。心理的に一番最初に挙げる球種が、一番自信があるはずだ…
…すげェ人のこと見てるじゃん…
…最高のカーブっス!!佐古さん!!…
…基本緩急差が大事だよな?スローボールの後に速球を見せられると、身体が追いつかないから。となると次は…
「いや、もう一球カーブでいこう。」
…また同じスローカーブ!?打たれるじゃん…
「コラ、さっき言っただろ。配球論だけじゃダメだ。大事なのは、リードだろ。投手(ピッチャー)を不安にさせてどうする?堂々としてろ!!」
『忘却バッテリー』要圭の脳内言葉と、要圭(智将)の言葉です。
「自己開示」には、自分のアイデンティティ(個性)を表現するだけでなく、自分がプライドを持てる話をするという意味もあります。
「自己開示」を活用し、日本人の雑談から、卒業しましょう。