春は夜桜。夏には星。秋には満月。冬には雪。それで十分酒は美味い。それでも不味いんなら、それは自分自身の何かが病んでいる証拠だ47

 

 

 「春は夜桜。夏には星。秋には満月。冬には雪。それで十分酒は美味い。」

 「それでも不味いんなら、それは自分自身の何かが病んでいる証拠だ。」

 

るろうに剣心北海道編9巻 左之助と安慈、剣心と宗次郎がそれぞれ共闘したり.. | やぐち さんのマンガ | ツイコミ(仮)

  

  『るろうに剣心』比古清十郎の言葉です。

 

 

 

  ♦立秋の 雲の動きの なつかしき

 

 二十四節季において、8月7日~8月22日までを「立秋(立秋)」と呼びます。

 厳しい暑さが続きますが、暦の上では、早くも秋が始まっています。

 

 その為「立秋」からの暑さは「残暑」と言います。

 しかし、まだ「残暑」というには暑すぎる日々が、続いています。

 

  ☆8月5日:群馬県伊勢崎市で41,8℃の過去最高気温

  ★8月5日:日本全国14カ所で、40℃以上の気温を観測

 

 2025年は、10月まで猛暑が続くという、予報も出ています。

 二十四節季も、昨今の異常気象に合わせ、日付等を変化させてもいいのかもしれません。

 

 

 急に激しく降ったり、弱まったりする雨である「叢雨(むらさめ)」。

 新緑の草木を潤す雨である「翠雨(すいう)」。

 昨今の急激な天候の変化には悩まされますが、雨の古語にあてらうと、急な雨にも色を感じる事が出来るから、不思議です。

 

 ひぐらしが鳴き、お盆飾りのホオズキが花屋に並ぶ時期。

 まだまだ「残暑」否「猛暑」は続きますが、来る秋の乾燥が始まる時期でもあります。

 身体、そして、心の乾燥を予防する為にも「立秋」から「秋の養生」を始めていく事も、身体と心・脳を、正常に働かせる為に、必要となります。

 

 

 

 「世話を掛けたな。人の子よ。」

夏目友人帳:豐月神和不月神- 每日頭條

 

  『夏目友人帳』豊月神(ほおずきかみ)の言葉です。

 

 

 

  ♦御先祖様が、家に帰る目印に

 

 ホオズキ(鬼灯)は、お盆の頃になると、鮮やかなオレンジ色の実がなります。

 その姿を、提灯に見立てて、御先祖様が家に帰ってくる時の目印にという事から、ホオズキを、お盆に仏壇に飾る風習が生まれました。

 

 愛宕神社で始まった「ホオズキ市」は、浅草寺等、他の神社にも拡がりました。

 浅草・浅草寺で行われる「ホオズキ市」は、特に有名であり、屋台に所狭しとホオズキが並び、賑わいます。

 

四万六千日・ほおずき市(2024年) | 毎年7月9・10日に浅草寺で開催 室町時代に起源を持つ夏の風物詩 | 東京都台東区 | いこーよとりっぷ

 

 また、古くからホオズキの実の中の種子を抜いて、口に含みピーと音を鳴らして遊ぶ「ホオズキ笛」も、楽しまれてきました。

 古く平安時代には、子ども達が、ホオズキを膨らませて遊ぶ様子が『栄花物語』に描かれています。

 

 

  ★私を誘ってください

  ☆偽り

  ★ごまかし

 

 ホオズキの花言葉の「偽り」「ごまかし」は、大きな袋の中に、小さな丸い果実が、1つしか入っていない事が、由来となっています。

 

 

 

 

 「立秋」の旬の食材は①桃②無花果(いちじく)③枝豆です。

 

 

 ①お盆のお供え物の定番果実である桃は、7月~8月に旬を迎えます。

 桃は、中国が原産であり、その栄養価の高さから「仙果」とも呼ばれています。

 その歴史は古く、日本においても、縄文時代から、桃が食べられていたとされています。

 

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 「カリウム」「ペクチン」「クエン酸」等、桃には、多くの栄養が含まれています。

 「カリウム」は筋肉の働きを維持してくれ、「ペクチン」は腸内環境を整え、「クエン酸」は疲労回復を助けてくれます。

 天下無敵の桃を食べ、心も身体も、天下無敵にしていきましょう。

 

 

 

 ②無花果は、品のある味わいと柔らかな果実が特徴の果物です。

 無花果には「水溶性食物繊維」である「ペクチン」が豊富に含まれています。

 「ペクチン」は、血糖値の急激な上昇を抑えたり、腸内環境を綺麗に保つ働きがあります。

 

  ☆子宝に恵まれる

  ★実りある恋

  ☆裕福

 

 無花果は、たくさんの実をつける事から、繁栄や豊穣を、象徴すると考えられてきました。

 『旧約聖書』や『ピラミッドの壁画』にも登場する程、その歴史は古く、世界最古の栽培品種ともされています。

 

イチジク」の写真素材 | 44,682件の無料イラスト画像 | Adobe Stock

 

 無花果の原産地は、アラビア半島の南部で、6,000年以上も前から、食べられていたとされています。

 『旧約聖書』では、アダムとイブが身体を隠す為の腰ミノとして、無花果の葉を使ったとされています。

 さらに、一説では、アダムとイブが食べた禁断の果実は、りんごではなく、無花果であったという説もあります。

 

 

 

  …枝豆や 三寸飛んで 口に入る…

  正岡子規の句です。

 

 ③春頃から店頭に並ぶ枝豆ですが、旬は「立秋」を過ぎた頃です。

 塩で茹でて食べるのが定番ですが、茹でた豆をペースト状にして、砂糖を混ぜた「ずんだ」も絶品です。

 

ずんだ餅 写真素材 [ 3672064 ] - フォトライブラリー photolibrary

 

 仙台の定番土産である「ずんだ餅」。

 仙台では、勿論「ずんだ餅」が定番ですが、夏の新たな商品として「ずんだシェイク」がよく売られていました。

 

 「ずんだ餅」の由来には、甚太という農夫が創作した説、伊達政宗が陣太刀の柄で枝豆を砕いた説、豆を打つ音を表した説等、諸説あります。

 幕末の仙台の農家の記録からは、お盆の日に「ずんだ餅」を用意したというものが残っています。

 8月15日にお帰りになる御先祖様に、一番上等な餅を持たせるという文化が、仙台にはあったようです。

 

 

 

 

 食事が、美味しくなる重要な要素は、2つです。

 1つは、空腹である事。

 もう1つは、旬の食材を味わう事。

 

 旬の食材を味わい、心と身体に栄養を補給して、今日も人生を乗り切っていきましょう。