「私ずっと生き辛かったんだよ。叔父さん達は、実の子でもない私を育ててくれて、感謝もしてるけど、ずっと埋められない寂しさがあった。なんで私には、お母さんがいるのに、気にかけてすらもらえないんだろうって。」
「だから、こうやって会いに来たんでしょ。仲良くしようと思ってるのに、変なこと言わないでよ。」
「今またお母さんの気まぐれで、中途半端に優しくされたって意味ない。昔に戻って、一から私のこと、ちゃんと愛してよ。あの時の私がして欲しかったこと、あの時の私にしてよ。」
「そんなこと出来るわけないじゃん。何言ってんの?」
「ほんとだったら、一番大事にしてくれるはずのお母さんが、私のことぶったり捨てたりしたから、お母さんにそんなことされる自分って、一体なんだろうって‥自分の価値がわかんないんだよ。人付き合いも、うまくいかない。他人がずっと怖いし、私なんかとは別の世界に生きてるんじゃないかって、そういう思い込みで、大事にしたかった人のこと切り捨てたりしてた。」
『明日、私は誰かのカノジョ』雪と母の会話です。
♦遺伝が9割、そして、親に出来る事
あなたは、あなたの子どもの性格・学力・好奇心等は「遺伝子による影響なのか、環境による影響なのか」どちらだと思いますか?
私は、遺伝が9割であると考えています。
その理由は、遺伝子と環境は、私達の人生を形成する別々のものではないからです。
★『ドラゴンボール』
☆『HUNTER×HUNTER』
★『ONEPIECE』
『JUMP』を代表する誰もが知る物語も「努力・友情・勝利」ではなく、遺伝が9割である事を、知らしめています。
私は、この事に長年疑問を感じていましたが、勉強を重ねる程に、遺伝が9割という物語に、納得せざるを得ない気持ちになっていきました。
これは往年の作品に限らず『鬼滅の刃』『呪術廻戦』『桃源暗鬼』等、現在進行形の作品にも共通します。
「ワリィな‥色々黙ってて‥混乱したろ‥。」
「そ‥気にすんじゃねーよ‥!」
「鬼の血を継いでいるから殺されるなんて‥大事な息子に言えねぇわ‥俺はもう‥傍にいてやれねぇからよ‥強くなってくれよ‥桃太郎にも、鬼の血にも負けないくらい‥強くなってくれよ‥幸せを邪魔されないためにも‥男同士の約束ってやつだ‥。」
「うるせぇぇええっっ!俺は‥そんな話聞きてぇんじゃねえんだよ‥!勝手に締めくくってんじゃねぇぞ!諦めねぇぞ!俺は!親父と!これからの話がしてぇんだよ!わかったかクソ親父!」
ー‥父ちゃん、抱っこしろー!‥ー
「鬼と桃太郎も‥こうやって肩組んで生きられたら‥いいのになぁ‥」
「親父?いやいや‥違う‥まだだ‥おい‥まだ俺ぁ謝ってねぇぞ!血繋がってなくてよかったって言っちまったこと‥!聞きてぇだろ俺の謝罪!言ってやるから起きろォィ!そんでいつもみたいにおちょくれよ‥おい‥親父‥なあ返事しろよ‥父さん‥」
『桃源暗鬼』親父と四季の会話です。
私達が、どのような「遺伝子」を受け継ぐかは、運によります。
ただ、昨今の子どもの4割は生まれる前の記憶があり「自分でママを選んできた」等と言う子どもが多くいる事から、若しかしたら、どのような「遺伝子」を受け継ぐのかも運ではないという時代がくるかもしれません。
現代においては、どのような「遺伝子」を受け継ぐのかは、運によるという仮説の下に、話を進めます。
これに対し「環境」は、殆どの場合、運のように生じるものではありません。
子どもが、どのような「環境」に身を置くかは、親が決める事が出来るはずです。
しかし、どのような環境を選択するのか、その環境をどのように経験するのか、その環境をどの程度人生に影響させる事が出来るのかも、遺伝子による部分が大きいのです。
私達の子育ての傾向には、殆どの場合「親自身の遺伝的な傾向」が反映されます。
衝動的でリスクを恐れない親は、子どもが居心地が良いと感じる場所から踏み出させる傾向があります。
キャンプやスキー、ロッククライミング等、チャレンジングな事をさせる傾向があります。
知的なタイプの親が住んでいる家には、本がたくさんあります。
子どもとの会話も、知識を根底に置きながら、子どもとともに、学ぶという選択をする傾向があります。
「待ってください!四季君にゴメンと‥謝っておいてください‥。」
「謝罪は自分の口から伝えないと、意味はない。」
「けど、どんな顔して会えば‥僕は彼にとんでもないことを。きっと会いたくないと思う。」
「あいつは単純で馬鹿だけど、人の気持ちは、ちゃんと汲みとれる奴だ。」
「大事なのは、お前がどう向き合うかだ。俺は伝えない。以上。」
『桃源暗鬼』神門と無陀野の会話です。
親は、子どもに「遺伝子」と「環境」の、両方を与えます。
つまり「子どもの環境」は「親自身の遺伝子」により、生み出されているのです。
「親が子どもの為に用意する環境」と「親が子どもに引き継ぐ遺伝子」の両方に「親の遺伝子」が、強く影響しているのです。
この続きは、また後程。