行く河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず

 鴨長明の随筆『方丈記』の冒頭文です。 「行く河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。」 この冒頭の一行に、無常の意味が詰まっています。 「行く河の流れは絶えずして」とは、川の流れが継続することを意味します。 「しかも」という接続詞で、ただ継続するだけではないと説明を追加しています。 「もとの水にあらず」とは、同じ状態ではなく変化することを意味します。  これは、継続と変化という時間と空間の概念が併存していると表現しています。 時間と空間という世の中の相矛盾するものを一体化させた概念が無常です。  鴨長明は、ひたすら孤独に生きることで自然と繋がり、宇宙を感じ、無常という概念を導き出しました。 『方丈記』に触れると『バガボンド』を思い出すのは、私だけでしょうか。