誰と組むかが勝敗を決める2

 以前ある人が「第一印象が悪い方が、後々仲良くなるのよ。」と言っていました。

 私は、この発言に何か意図があるのだと思い、その真意を確かめましたが、特に意図や根拠等はない様子でした。

 しかし、第一印象が全てとばかり主張する人がいる一方、長い付き合いをするような人は第一印象が悪い事であった事が、多い印象があります。

 半世紀以上前、心理学者エリオット・アロンソンは、人は尊敬の度合いよりも、尊敬を得る事や失う事に対して、より敏感である事を導き出しました。

 人は、自分にいつも協力的な人に対しては、それを当たり前のように考え、軽視してしまう傾向があります。

 その一方、最初は敵であった人が熱心な協力者になった場合、その人の事を本当の支援者であると考えます。

 時間が経つにつれて自分への好意が増した人達の方が、いつも自分に好意を持ってくれていた人達よりも、好まれる傾向にある事が実験により、証明されています。

 考えを改めた敵に対して、私達は親近感を強く抱きますが、はてして相手も同じように感じるのでしょうか?

 実は、相手も、同じように感じます。これが、敵を味方にする2つ目の利点です。

 相手は、こちらを好きになろうと、認知の歪みを修正しようと努力します。

 この努力は、強力であり、当初抱いていたマイナスの印象を克服する為には、通常以上に相手の事を信じるに値する人物であるという思考を繰り返す必要があります。

 人は助けられた相手よりも、助けた相手を好きになるという心理状態と同様です。

 3つ目の利点は、敵であった人物が、最も口コミをしてくれるという事です。

 敵であった人は、抵抗する人や批判する人の疑う気持ちや不安が理解出来る為、説得力に長けています。

 また、敵であった人は、信奉者でもなければ、イエスマンでもない為、その言葉には、ずっと味方であった人よりも、説得力がある事は想像に難くありません。

 会社の重役を対象にした実験でも、自分以外の重役の意見のうち、最初は自分の意見に反対していたが、やがて同調してくれた役員の影響を最も受けたという結果が出ています。

 たしかに『ハイキュー』においても敵であった日向と影山が味方になる事から物語は始まり、『進撃の巨人』においても敵対関係にあったジャンが最も信頼の置ける味方となり、『PSYCHOPASS』においても狡噛を最も理解する事が出来たのは敵である槙島でした。

 敵を避ける事も重要な戦略ですが、敵に敢えて関わる事も将来的に重要な戦略になると捉える事が出来ます。