「これは、あの子が私よりもずっと背の小さな小娘だった頃に語った夢物語だ。」
「正直私は、そんな時代はずっと先のことで、あの子には実現不可能なことだと思っていた。」
「あの子は、私にとって無にも等しいような短い人生で、人類の魔法の開祖にまで上り詰めた。」
「師匠(せんせい)は、いつも判断が早かった。まるで何かに、急かされているみたいに。」
「人間には、寿命がある。私達よりも、死に近い場所にいるんだ。人生には、重大な決断をしなければならないときがいくつもあるが、あの子達はそれを先送りにできないんだ。」
『葬送のフリーレン』ゼーリエのフリーレンの会話です。
あなたも見た事があるであろう、人間の進化の過程を表したイラストです。
私自身、小学校・中学校の歴史の教科書に、記載されていた記憶があります。
実は、このイラスト、2つの間違いがあります。
①人類にはたくさんの種類がいて、一直線に進化したわけではない
②進化により必ずしも身体が発達するわけではない
♦現状維持は退化であるが、進化には退化が必要である
②進化により必ずしも身体が発達するわけではない
進化は「発達」だけでは進みません。
進化には「発達」と「退化」の両輪が必要なのです。
進化する程、身体や脳が、発達するわけではありません。
ネアンデルタール人の脳容量は、現代を生きる私達ホモ・サピエンスの脳容量を上回っていました。
さらに、ネアンデルタール人は、私達よりも筋肉質であり、私達よりも力がありました。
林修も『情熱大陸』において、一時の超人気の時に「人生は不連続関数なんですよ。これは数学をきちんとやっていた人ならわかる。」と言っています。
進化だけでなく、ヒトの一生も、良い時もあれば、悪い時もある。
つまり、悪い時(退化)がなければ、良い時(発達)する事もないのです。
「私達は、それを百年後にやっても、二百年後にやってもいい。千年ほったらかしにしたところで、なんの支障もない。」
「私達の時間は、永遠に近いのだから。」
「フリーレン。人間が凡そ文明と呼べるものを築き上げてから長い年月が経った。これから先は、時代が加速するぞ。」
「たった千年だ。たった千年で、人間の時代がやってくる。」
『葬送のフリーレン』ゼーリエの言葉です。
ヒトは、生物で唯一「直立二足歩行」が出来ます。
ただの二足歩行であれば、カンガルー・ダチョウ等も出来ます。
しかし、頭を腰の真上に身体を真っすぐに立たせて歩く事が出来る動物は、長い進化の歴史を辿っても、人類以外にいません。
では、何故人類は、四足歩行から「直立二足歩行」に、進化したのでしょうか?
★立った方が、遠くまで見渡す事が出来、敵の位置がすぐわかる
☆大きく見せた方る事が、敵への威嚇となる
★立った方が、太陽光を浴びる面積を減らす事が出来る
これらは「直立二足歩行」をする事が、草原(サバンナ)で生きていく為に有利だった説を挙げる例です。
しかし、これらの説は、現在では、否定されています。
現在知られている「直立二足歩行」をしていた最古の人類であるサヘラントロプス・チャデンシス。
サヘラントロプス・チャデンシスの化石を分析していくと、彼ら彼女らは、草原ではなく、森林で暮らしていた事が、明らかになりました。
戦国:信長→秀吉→家康
幕末:吉田松陰→坂本龍馬→大久保利通
歴史の3段階説同様、進化の過程も、3段階に分かれます。
つまり、四足歩行をしていたサルが、ある日突然立ち上がり、歩き始めたわけではないという事です。
私達人類は「直立二足歩行」になるまでの進化の過程で、中腰でヨロヨロと歩いていた時期が、長期間あったと考えられます。
想像してみてください。
そんな状態で、草原を歩いていたら、あっという間に、肉食動物の餌食となり、人類は絶滅したいた事でしょう。
この一方、森林で、中腰歩行をする事には、合理性があります。
1本の枝の上を、4本の手足で歩くと、1本の枝に全体重が掛かってしまいます。
これに対し、両手で別々の枝を掴んで歩けば、体重を分散させる事が出来ます。
これにより、細い枝の先にある果実を取る事が出来た事でしょう。
さらに、枝が折れて、落下してしまうリスクを減少する事も出来た事でしょう。
人類の祖先は、体重が数十㎏もあり、サルとしては大型であった為、中腰歩行による体重分散は、森林で生きていく為の大きなメリットになりました。
勿論、何事もメリットもあれば、デメリットもあるもの。
現代を生きる私達に通ずる「直立二足歩行」のデメリットがあります。
それが「腰痛」です。
四足歩行の動物の脊椎は、水平になっています。
私達人類は「直立二足歩行」をする事により、脊椎を立たせました。
これにより、腰椎は、上半身の重みを全て引き受けなければならなくなりました。
「腰痛」は「直立二足歩行」を選択した人類の宿命とも言えます。
さらに「直立二足歩行」には「愛の物語」もあります。
この続きは、また後程。