「師匠(せんせい)は、いつも判断が早かった。まるで何かに、急かされているみたいに。」
「人間には、寿命がある。私達よりも、死に近い場所にいるんだ。人生には、重大な決断をしなければならないときがいくつもあるが、あの子達はそれを先送りにできないんだ。」
「私達は、それを百年後にやっても、二百年後にやってもいい。千年ほったらかしにしたところで、なんの支障もない。」
「私達の時間は、永遠に近いのだから。」
「フリーレン。人間が凡そ文明と呼べるものを築き上げてから長い年月が経った。これから先は、時代が加速するぞ。」
「たった千年だ。たった千年で、人間の時代がやってくる。」
『葬送のフリーレン』フリーレンとゼーリエの会話、そして、フリーレンの会話です。
人類は、草原で生きていく為に有利であった為に「直立二足歩行」を選択したわけではありません。
現在知られている「直立二足歩行」をしていた最古の人類であるサヘラントロプス・チャデンシス。
サヘラントロプス・チャデンシスの化石を分析していくと、彼ら彼女らは、草原ではなく、森林で暮らしていた事が、明らかとなりました。
人類は、森で「直立二足歩行」を始めたのです。
「なあ風佳。また積めばいいよ。」
「次は、もっと上手く積めるようになってるよ。」
『宇宙兄弟』ケンジ(風佳の父)の言葉です。
♦父のお土産で、人類は、生き残った
オス(父)が家族を養うのに「直立二足歩行」が有利に働いた。
これが、複数の類人猿がいる中で、人類だけが「直立二足歩行」を進化させた理由の1つです。
★チンパンジー:乱婚
☆ゴリラ:一夫多妻
★ニホンザル:一夫多妻
現在、日本を始めとする多くの国が「一夫一妻制」を取っています。
ただ、法律で定められるずっと以前から、人類の祖先は「一夫一妻制」を取っていました。
これは、類人猿では珍しいケースです。
人類が「一夫一妻制」になった理由は定かではありません。
☆子育てに労力が掛かるから
★社会の安定性を保つ為
☆性的嫉妬やトラブルの抑制
霊長類の中でも、テナガザルのように「一夫一妻」的なペアを作る種はいます。
ただ、人類以外の種は、ペアごとに離れて暮らしています。
集団の中でペアを作ったのは、歴史上、人類が初めてなのです。
「もうすぐ宇宙へ行くんだろ、せりか。」
「おめでとう。すごく頑張ったんだね。」
『宇宙兄弟』伊東凛平(せりかの父)の言葉です。
メス(母)が、小さな子どもを抱えて、食料を探し回るのは、困難です。
その為、オス(父)は、自然と家族に食料を運ぶようになりました。
その際、四足歩行であると、少量の食べ物しか運ぶ事が出来ません。
一方「直立二足歩行」であれば、1度にたくさんの食べ物を、両手に抱える事が出来ます。
人類は「直立二足歩行」をする事で、効率的に食料を収集する事が出来るようになりました。
この選択が、生存や繁殖に有利に働きました。
これが、人類が「直立二足歩行」を進化させた理由です。
仮に人類が乱婚であった場合、オス(父)は、自分の子どもを見分ける事が出来ません。
その為、メス(母)や子どもに、食料を運ぶ為の手段である「直立二足歩行」は進化しません。
しかし「一夫一妻制」であれば、確実に、メス(母)や子どもに、食料を運ぶ事が出来ます。
より多くの食料を運ぶ事が出来る能力が、自分の遺伝子を残し、増やす事にも強く結び付いているのです。
この「食料運搬仮説」は、人類が、類人猿から分かれ、進化した理由として、現在最も有力な説となっています。
「やはり2人とも、ワシの息子だ。」
「いいか六太。月でも地球でも、どこにいてもそうだ。」
「男ならー親父より楽しめ。」
『宇宙兄弟』南波長介(六太・日々人の父)の言葉です。
人類は、メス(母)と子どもを思う父の進化により、生き残ったきたのです。