超発達障害3

 

 

 「道徳の授業で、誉君と、クラスメイト全員の意見が対立しました。」

 「休み時間に、一人の生徒が、そのことで誉君をからかい、誉君はその子を階段から突き落としたそうです。」

 

ジャンケットバンク】ワンヘッドという人生の迷子レベル100 : あにまんch

 

  『ジャンケットバンク』三角誉の小学生時代の回想です。

 

 

 

  ♦「自閉症」の治療薬は出来るのか?

 

 2025年現在「自閉症(ASD)」を治す為の、特効薬は存在しません。

 ただ、脳の発達より、年齢とともに「自閉症」の特性は、緩和される事がわかっています。

 

 その為、子どもの頃は、特性が強く出ていて社会生活に支障をきたしていた人も、ある程度年齢を重ねていくと、自分の特性を自分の環境に合わせて調整する事も可能になってきます。

 

 しかし、自分の子どもが「自閉症」である場合、親は、すぐにでもその障害を治してあげたいと思います。

 そこで、治療薬が存在しない「自閉症」に対する治療薬の可能性を紹介していきます。

 

 

 

 

 「大変申し訳ありませんでした。」

 「‥誉君、君は謝らないのか?」

 「はい。タクヤ君が先に僕をバグ頭って呼んだので。」

 

 「‥確かに、悪口はよくない。だが、どんな場合でも、暴力を振るうことは、絶対に許されないことだ。」

 「タクヤ君は、腕の骨を折った。仕返しとしては、やり過ぎだったと思わないか?」

 

Day on X: "今週の『ジャンケットバンク』 第177話「1+1=1」 https://t.co/64MEowQxnG  対象の人物をコピーして人格を増やす多重人格者かと思ったら、人格のパッチワークで三角誉という人格を作ろうとしてる……。  あと、共感性が足りないんじゃなくて無痛症なんじゃないかな ...

 

 「思いません。僕は、痛くないから。」

 

 

  『ジャンケットバンク』三角誉の小学生時代の回想です。

 

 

 

  ♦世界初の治療薬の可能性

 

 「自閉症」の人は、表情や声色等の非言語的コミュニケーションから、相手の意図を読む事が苦手です。

 そうした症状は、脳の前頭葉にある内側前頭前野の活動が低下している事が、原因の1つとして考えられています。

 

 こうした社会的なコミュニケーションを司る脳の領域を活性化させる可能性を示した研究があります。

 チューリッヒ大学が行った研究において、ホルモンの一種である「オキシトシン」を点鼻スプレーで投与させる事で、他人への信頼が増加するという研究結果が発表されています。

 

  ☆「オキシトシン」を投与するグループ

  ★偽薬を投与するグループ

 

 研究では、実験協力者を、上記の2つのグループに分け、相手をどれだけ信頼する事が出来るのかを調査しました。

 その結果「オキシトシン」を投与したグループの方が、相手を信頼したという結果となったのです。

 

 幸せホルモンとも呼ばれる「オキシトシン」。

 手を繋ぐ・抱き合う等、身体の接触による事でも「オキシトシン」が脳内に放出される事がわかっています。

 

  ☆相手への信頼度を高める

  ★ストレスホルモンである「コルチゾール」の濃度を低下させる

  ☆幸福感を高める

 

 「オキシトシン」には、このような効果があります。

 

 

 

 「誉、母さん、いつも言ってるでしょ?あんた以外の人達にも、心があるの。」

 「ゆっくりでいいから、もう少しだけ人の気持ちわかるように頑張りましょ。」

 

 「人の気持ちがわかるなら、なんで皆、僕に悪口を言ったり、無理矢理謝らせたりするんだろう?」

 「人って、誰のこと?」

 

 「難しい質問ね。家に帰って、一緒に考えましょ。」

 「うん。」

Day on X: "今週の『ジャンケットバンク』 第177話「1+1=1」 https://t.co/64MEowQxnG  対象の人物をコピーして人格を増やす多重人格者かと思ったら、人格のパッチワークで三角誉という人格を作ろうとしてる……。  あと、共感性が足りないんじゃなくて無痛症なんじゃないかな ...

 

  『ジャンケットバンク』三角誉の小学生時代の回想です。

 

 

  ♦幸せホルモンが「自閉症」治療薬開発の鍵

 

 「自閉症」の症状を持っている人が「オキシトシン」を投与された事で、表情を読み取る能力が、向上したという研究結果も出ています。

 「オキシトシン」を投与する事で、表情から、相手の真意を読み取ろうとする行動が増えるのです。

 具体的には「自閉症」の人が「オキシトシン」を投与されると、相手の目線を追う時間が増える事が、研究により証明されています。

 

 「オキシトシン」という言葉は、ギリシャ語で「鋭く出産させる」という意味があります。

 名前の通り「オキシトシン」には、出産と育児に関わる2つの作用がある事が、以前から知られれていました。

 

 

  ①分娩の時に、子宮を収縮させる作用

  ②乳腺の筋繊維を収縮させて、母乳を出す為の作用

 

 

 ①出産間近になると視床下部にある「オキシトシン」を生み出す神経細胞が反応します。

 これにより「オキシトシン」を放出する事で、母親の子宮を収縮させて、陣痛を促し、分娩を進めるのです。

 

 ②赤ちゃんが母親の乳首を吸うと、これが刺激となり、視床下部の「オキシトシン」を生み出す神経細胞が反応します。

 これにより「オキシトシン」を分泌し、母乳が出てくるのです。

 

 

 「オキシトシン」は、生物の生殖行動だけに影響を与えているのではなく、母性行動を形作る事にも、影響を与えています。

 マウスを使った実験では「オキシトシン」と「オキシトシン受容体」を働かなくすると、マウスは、母乳が出なくなるだけでなく、母親として子どもを育てるという母性行動が少なくなるという結果が出ています。

 

 近年の研究では、男女問わず、脳内に「オキシトシン受容体」がある事がわかっています。

 その為「自閉症」を持つ子どもを持つ親には、猫や犬等のペットを飼う事をお勧めします。

 ペットを可愛がる事で「オキシトシン」の分泌が促される為です。

 

 

 

 「‥あ、落としちゃった。」

 「母さん、コレもう食べられないから、新しいの作らなきゃダメだね。」

 

 「なんでなの‥なんであんたは‥」

 「どうしてアンタは、いつもそうなのっ!?なんで普通のことが普通にできないのよっ!!?」

 「アンタみたいに人の気持ちがわからない化物は、一人ぼっちでさみしく死ぬしかないんだっ‥!!!」

 

ジャンケットバンク 18/田中 一行 | 集英社 ― SHUEISHA ―

 

 「それは、イヤだな。」

 

  『ジャンケットバンク』三角誉の小学生時代の回想です。

 

 

 

 2025年において「自閉症」の特効薬は、存在しません。

 東京大学と製薬会社が「自閉症」の治療薬として実用化する為の「オキシトシン」の薬を開発しています。

 

 世界初の「自閉症」の治療薬が、出来る日も、そう遠くないのかもしれません。