「もういつも通りじゃない?」「なんかこの前の奴の方が強かった?」「油断大敵。」
「アンタ何もしてないじゃん。」「つーかなんでこうするワケ?」「イカサマだけ注意。」
「やっとルールわかってきたのに。」「ヤバ。」「このランク帯の奴がこんな弱いワケないだろ。」
「三角さん。君は最悪だけど、最高の男だ。」
「理解したよ。ボクは、君に勝てない。」
「最初から、そう言ってただろ。間違っても、降参なんかするなよ?」
「もちろんしないさ。君には勝てなくても、ゲームには勝つからね。」
『ジャンケットバンク』三角のイマジナリーフレンドの会話と、真経津の言葉、そして、三角と真経津の会話です。
♦10人に1人が障害者の国、日本
☆平成14年(2002年):258万人
★令和2年(2020年):615万人
2020年厚労省の患者調査により、示された「精神疾患を有する総患者数の推移」です。
人口が減少し続けている日本において「精神障害者」の数は、約2,4倍にも増えています。
「精神障害」に「身体障害」「知的障害」を加えた障害者の割合は、日本人の人口の約1割、つまり、日本は約10%が「障害者」である国なのです。
あなたは、電車の中や街中で「1人でぶつぶつと話している人」を見かけた事はありませんか?
独特の風貌をしているその人は「統合失調症」である可能性が高いです。
「友達と話ができるなら、みんなに聞いてみるといいよ。」
「必ずいるはずだ。ボクと目が合った奴が。どうしたの?わからないって顔してるよ。」
『ジャンケットバンク』真経津の言葉です。
「統合失調症」は、動機や原因が不明な言動が出現する脳の病気です。
10代後半~30代前半の青年期に発症し、幻覚・妄想等の特徴的な症状を示します。
軽快する事はあっても完治する事はない「慢性の精神疾患」です。
発症の原因は、現代においても不明です。
★生涯有病率:約1%
☆親近者の発病率:親子で10%、一卵性双生児で50%
★男性10代後半~20代前半、女性20代後半に発症しやすい
「統合失調症」も他の精神疾患同様、遺伝的要因が作用しています。
芥川龍之介も、母が「統合失調症」であり、芥川自身も「統合失調症」であった可能性が高いです。
しかし「自閉症」の一卵性双生児の発病率が80~90%であるのに対し「統合失調症」は50%である事から「発達障害」と比較し、遺伝的要因が少ない事が推測されます。
誰もが1度は観た事があるエドヴァルド・ムンクの『叫び』。
この作品は、ムンク自身の「統合失調症」における体験を、象徴的に表現された作品とされています。
「三角さん、君は天才だ。何十人もの志向を再現し、一つに束ねる。そんなことができる人間に、読み勝つなんて、あまりにも無謀。」
「だからボクは、君の友達を読む。」
「キミは、完璧じゃない人達を、完璧に模倣してしまった。」
「彼らがうわ言で話す時、名指しで声をかけられた時、君は一瞬だけ彼らになってしまう。」
「そして、君の選択を知る友達は、目線や言葉で、それをボクに教えてしまうんだ。君は皆を理解してる。でも、その理解が君を殺す。」
『ジャンケットバンク』真経津の言葉です。
Q:浪人して受験勉強をしている息子が、自分の部屋で独り言を言って怒ったり、笑ったりする事が目立つようになりました。
心配ですが、どうしていいのかわかりません。
A:ある時期から動機の不明な変化が生じた場合、何らかの病気が始まっている可能性を念頭に置く必要があります。
薬物使用等、明らかな原因がなければ「統合失調症」の始まりも、考慮する必要があります。
家族の対応としては、①本人とのコミュニケーション②医療機関・障害者支援機関等に相談する事の2つが挙げられます。
…オレは、今まで、何度もコイツの戦いを見てきた…
…だが、今日ほどコイツの友達話が、誰かと弾んでるのを見るのは、初めてだ…
…コイツらの会話を聞くたびに、オレは、ずっとこう思ってる…
…ダニのフン程も、言ってることが理解できねぇ!!…
…30にもなってイマジナリーフレンドに囲まれてるイカレ野郎と、その空想の友達から札を読むイカレ野郎だぞ!?…
…どこの星の出身だよ!?見るだけならともかく、幻覚を読むんじゃねぇ!!!…
『ジャンケットバンク』土谷田の脳内言葉です。
統合失調症の症状は、大きく分けて3つに分類されます。
1. 陽性症状(+の症状)
通常はないものが「現れる」症状です。
★幻覚:誰もいないのに声が聞こえる(幻聴が最も多い)
☆妄想:周囲が自分を監視していると感じる など
★まとまりのない話し方や行動:論理的でない会話や混乱した行動
2. 陰性症状(−の症状)
本来あるべきものが「なくなる」症状です。
★感情の平坦化:喜怒哀楽が乏しくなる
☆意欲の低下:何かをする気力がなくなる
★社会的な引きこもり:人と関わりたくなくなる
3. 認知機能障害
情報の処理や判断に関する症状です。
★記憶力や集中力の低下
☆計画を立てるのが苦手になる
♦「統合失調症」のみを問題にすると、翻って問題から遠ざかる
「統合失調症」は「発達障害」「知的障害」「愛着障害」等と、密接に関連します。
10人に1人が、障害者である国、日本。
あなたにも、幻覚や幻聴を読む位の、世界観が、求められるかもしれません。