「私は、あなたに、困った時に使える便利な道具などになってほしくない。」
「中田正義という、私の大切な人でいてほしい。」
『宝石商リチャード氏の謎鑑定』リチャードの言葉です。
今日から4月になりましたが、東京では、桜がまだ咲いていません。
桜の花が開くのを促すように、東京では、早朝「催花雨(さいかう)」が降っていました。
4月の誕生石は「ダイヤモンド」です。
ダイヤモンドは、炭素の結晶体であり、長い間地球の奥深くで圧縮されて出来た地球上で最も硬い鉱物です。
美しくカットされたダイヤモンドは、他のどの宝石よりも、高い屈折率と分散率を誇り、独特の輝きを見せます。
ダイヤモンドの名前の由来は、ギリシャ語の「Adamas(アダマス)」です。
意味は「無敵」です。
この事からも、ダイヤモンドには、何者にも征服されない完全無欠のイメージがあります。
また、圧倒的な透明感と、何者にも傷つけさせない硬さから「純潔」「純粋な愛」といった意味合いも併せ持ち、婚約指輪としても、人気があります。
永遠に光り輝くダイヤモンドは「2人の生涯が光に満ちたものであるように」という願いに、うってつけです。
また、ダイヤモンドは、パートナー以外の大切な人に贈る宝石に相応しいと、私は考えています。
大切な人にダイヤモンドを贈ると、強い輝きが邪悪な目を追い払い、身に付ける者を厄災から守ってくれると信じられてきました。
この物語は、親元を離れる子どもに贈る風景を、私に思い起こさせてくれました。
ダイヤモンドは、その硬さ故に、旧い時代においては、現代のような美しい輝きに磨き上げる事は出来ませんでした。
そうした事から、旧い時代におけるダイヤモンドの位置づけは、現代とは異なり、男性が戦いのお守りとして身に付ける、魔術的な意味合いを持っていました。
そして「無敵」である事から、ダイヤモンドは勝利をもたらす石として尊ばれていました。
人が、長い長い人生を歩んでいく為には、支えとなるものが必要です。
パートナーに贈る事は勿論、旅立つ子どもに贈る・1人で生きていくと決めた自分に贈る。
宝石には、多様な意味合いがあり、そして、その意味合いを自分自身で解釈し、自分の物語を描き加えていく事も可能です。
宝石を心の支えとする事も、1つかと。