合格だ。会話が必要なのか?

 

 

 「‥揺らいでいる。」

 「‥フェルンとか言ったな。お前、私の弟子になれ。」

 「え、嫌です。」

 

葬送のフリーレン「揺らいでいる」しっかり考察ver|yuki

 

 「悪いようにはしない。私なら、お前をより高みへと連れていける。未だかつて、魔法使いが辿り着いたことのないほどの高みへ。」

 「それは合否と関係があるのですか。」

 「あるかもしれない。」

 「そうですか。」

 

 「ゼーリエ様。私は、フリーレン様の弟子です。」

 

 …「フェルン。ゼーリエが色々と言ってくると思うけれども、要求を呑む必要はないよ。私が何を言っても不合格になるように、フェルンは何を言っても合格になる。だって、ゼーリエの直感は、いつも正しいから。」…

 

 「フリーレンの入れ知恵だな。‥私は、有望な魔法使いを見逃すほど馬鹿じゃない。合格だ。」

 

  『葬送のフリーレン』フェルンとゼーリエの会話です。

 

 

 

 

  ♦世の中は、アドバイスをしたい人で溢れている

 

 あなたも、私も、世の中の殆どの人は、アドバイスをするのが大好きです。

 試しに、カフェ等で、上司と部下らしき人がいたら、その会話を聞いてみて下さい。

 おそらく、会話の9割を上司が話し、求められていないにも関わらず、上司が自身の経験を基にしたアドバイスをしている事でしょう。

 

 断言します。

 そのアドバイスは、殆どの場合、意味をなさないばかりか、ネガティブなものになります。

 

 私達は、誰かが話し出すと、最も大切な事である「相手に関心を持つ」という事を忘れ、自分の中の「アドバイス・モンスター」が顔を出してきます。

 アドバイスをする管理スタイルが、常態化している組織は、危険です。

 近い将来、その組織は、弱体化していきます。

 

 

 

 「次。」

 「合格だ。」

 

葬送のフリーレン】ユーベルを合格にした時のゼーリエ : ねいろ速報さん

 

 「んー?まだ何も話していないけど。」

 「会話が必要なのか?」

 「それもそうだね。」

 

  『葬送のフリーレン』ゼーリエとユーべルの会話です。

 

 

 

 

  ♦アドバイス・モンスターが、人も組織も潰していく

 

  ★アドバイスを受ける人が、やる気をなくす

  ☆アドバイスをする人が、忙殺される

 

 

 ある人が常にアドバイスを受ける側に立たされ、自分の考えやアイデアを出す余地も与えられない場合、その人はどうなると思いますか?

 自主性も、専門性も、目的意識も確実に、低下します。

 

 以前所属していた組織では活躍出来ていたにも関わらず、違う組織に配属や転職等をしたら活躍する事が出来なくなる原因の1つが、これです。

 これは会社においても、スポーツにおいても、学校においても、該当する現象です。

 

 人に指図されるとは、自分で考える事を放棄する事と、同義語です。

 

 

 望まれてもいないし、自分が思う程優れていないアドバイスをして、相手のやる気や自信を失わせている事は、一旦脇に置きましょう。

 アドバイスをする事が常態化してしまうと、あなたは、忙しい自分に、さらに余計な仕事や責任を負う事になります。

 

 アドバイスをするという事は、自分の仕事だけでなく、他人の仕事までしてあげる事になります。

 これを常態化していては、新たな価値を生み出す仕事に費やす時間も、心の余裕も、なくなります。

 

 アドバイスの罠により、アドバイスをする人自身も、苦しめる状況になっているのです。

 

 

 

 「次。」

 「宮廷魔法使いのデンケン。お前のことは、よく知っている。」

 「それは光栄だな。」

 

 「軍所属の魔法使いの叩き上げが、今や北側諸国で最も権力を持った魔法使いだ。その美談は、よく聞く。」

 「正直、お前が若い頃に、会いたかった。血の気と野心に満ち溢れた若かりし頃に。私は、燃え滓(かす)には興味はない。そう思っていたのだがな。」

 

ネタバレ】葬送のフリーレン 第58話「ゼーリエの直感」の感想 | 漫画、アニメ、ゲームのネタバレ感想

 

 「今は違うのか?」

 「お前。私を見たとき、どう戦うか、考えただろう?」

 「‥ほんの一瞬だけだ。すぐに諦めた。」

 

 「合格。」

 「まだ燃えている。普通は、戦うだなんて発想は湧かない。」

 

  『葬送のフリーレン』ゼーリエとデンケンの会話です。

 

 

 

  ♦チームワークってのは本当は何なんだ?助け合って、庇いあってりゃ、それでいいのか?悪いが、俺には誤魔化しているようにしか思えねえ

 

  ★結果を出せない組織になる

  ☆組織全体の変革を妨げる

 

 

 アドバイスの罠は、アドバイスを与える側と、受ける側の双方を害するだけでなく、組織全体も駄目にします。

 想像してみてください。

 

 やる気を失った人間と、忙殺された人間で出来ている組織が、真の課題を見つけ出したり、新しい価値を提供する事が出来るでしょうか?

 両者ともに、忙しく働いているものの、仕事が順調に進んでいるわけでも、大きな実績を出すような仕事もやっておらず、自分の果たすべき責任もはっきりとわかっていません。

 

 アドバイスの罠にはまった組織では、それぞれの力を化学反応させる事は愚か、足し算する事も出来ない状態になっています。

 

 

 

 組織の上層部は、直近のチームの効率性以上の事に、責任を負っています。

 組織の上層部は、組織が目指す方向性や、戦略的重点を指し示して、組織に所属する人達を率いなければなりません。

 

 特に変化の激しい現代において、経営陣は、環境に素早く反応して、舵を切り、将来図を描く事が求められます。

 

 しかし「アドバイスの罠」にハマった組織は、これら全ての事を、出来なくしてしまいます。

 無駄な仕事を作り、変化の機運を失わせ、成功に向けて事業展開する力も、削がれます。

 

 組織の上層部が「アドバイスの罠」にハマっていては、自らを機敏に動かす事が出来る身体も脳も失い、心の余裕もなくなるばかりでなく、組織に所属している人達の向上心や自己肯定感・満足感等も失わせています。

 組織が「アドバイスの罠」にハマっていては、現状維持しか取る事が出来ない組織になってしまいます。

 

 

 

 とは言っても、アドバイスを求められる事も、アドバイスを求める事も、ありますよね?

 では、有効なアドバイスとは?

 

 この続きは、また後程。