iPS細胞の活かし方

 ヒト科は、過去には20種類程存在していました。

 つまり、私達が学生の頃学んだサルが徐々にヒトになっていったという直線的な進化は間違いであり、サルがヒト、現在のホモサピエンスに至るまでには枝分かれが多数存在し、私達の進化は曲線的なものだったのです。

 その中で、唯一生き残ったヒト科が、我々ホモサピエンスです。

 ホモサピエンスとともに、地球上に存在した最後のホモサピエンス以外のヒト科がネアンデルタール人です。

 ネアンデルタール人は、ホモサピエンスよりも、身体が大きく、脳もホモサピエンスよりも大きかったと仮説されています。

 では、何故身体も脳もホモサピエンスよりも大きかったネアンデルタール人が滅び、ホモサピエンスが生き残ったのでしょうか?

 その疑問を解決するのにiPS細胞が活かされています。

 

 iPS細胞により、ネアンデルタール人の脳細胞を復元する事が出来ます。

 そこで、神経興奮時の神経細胞の同調率を図ると、ホモサピエンスがネアンデルタール人の4倍同調率が高いという結果が出ました。

 このような遺伝子の違いにより、ホモサピエンスは高いコミュニケーション能力と様々な環境に適応出来る能力があり、ネアンデルタール人にはそのような能力が低かったという仮説を科学的に立てる事が出来ます。

 おそらくネアンデルタール人は、家族以上のコミュニティを作っていなかったと思われます。

 身体能力の高さから、個人で狩りを成功させる事が出来たネアンデルタール人には、家族以上のコミュニティは不要だったのかもしれません。

 しかし、これにより遺伝子や環境の多様性は失われ、結果的に身体も脳の大きさもホモサピエンスより大きかったネアンデルタール人は滅んでいきます。

 

 このようにiPS細胞には、病気を治す以外にも活かす道が多様にあります。

 食糧危機に対し、iPS細胞により肉を作り出す。

 不妊治療に苦しむ夫婦に対し、皮膚細胞から生殖細胞を作り出す。

 

 iPS細胞を病院という閉ざされた世界だけで活かすのは、勿体ないです。

 2010年代思ったよりも、iPS細胞は私達の世界を変えてはくれませんでした。

 2020年代は、iPS細胞が私達の未来を変えてくれる時代となるかもしれません。