「俺には違和感しかないゴールだったよ。」
「ちょ…どーゆー意味です?ゴールは、ゴールでしょ…ここはストライカーを作る場所なんだし、あれの何が…」
「再現性が皆無。凪征士郎の才能は、人類でも群を抜いているが、ありゃさすがにうまくいきすぎだ…才能以上の成功は、身を滅ぼす危険を孕む。ここから試されるさ。凪(アイツ)の深層のエゴが。」
「その点、雪宮剣優は当然の結果だ。今のアイツ1人じゃ、ゴールは奇跡。雪宮剣優の失敗要因はただ一つ…自己評価が高過ぎる。」
「…でも、ストライカーなんだから、自信を持つコトは当たり前じゃ…」
「自信と狂信は違うんだよ。アンリちゃん。雪宮(あのバカ)が今やろうとしてるのは、自分が主役の物語をただのイタズラに信じようとしてるだけ…」
「成功は、自分だけの物語に酔う人間には訪れない。なんで青い監獄(ブルーロック)が成り立ってるかわかる?それは、世界一のストライカーを創りたいという俺の物語とW杯優勝というアンリ(おまえ)の物語…そして、それを望む日本サッカーファンの物語と、ここにいる才能の原石共の物語。その全てが交差(クロス)するからだ。」
『ブルーロック』絵心とアンリの会話、そして、絵心の言葉です。
昨日、ローマVSマリノスの試合を観に行きました。
選手入場の時、国立競技場に流れる「ローマローマローマ」は、私の中で忘れられない思い出となりました。
「ローマ、ローマ、ローマ。歌いましょう。この声から聖歌隊が生まれる。十万の声を知っている。あなたは私達を恋に落ちさせた。ローマ、美しいローマ」
セリエA数少ない北川さん実況時のローマホームの試合、試合前に「ローマローマローマ」が流れている時間、北川さんは言葉をはさみません。
その理由は、この美しい「ローマローマローマ」をロマ二スタと、セリエAを愛する日本の皆に味わってほしいからです。
昨日の試合、私にとっては、ジョゼよりも、マティッチよりも、ザニオーロよりも、北川さんに逢えた事が嬉しかったです。
おそらく、北川さんがいなければ、国立競技場に「ローマローマローマ」が流れる事はなかったでしょう。
事実、7月に同様の国立で行われたパリの試合の時には、選手入場の際、パリお馴染みの曲は流れませんでした。
日本人には希少な、好きを通り越した変態である北川さん。
その好きという物語が様々な人の物語と繋がり、ローマから遠く離れた東京の地で流れた「ローマローマローマ」
そこからは、1人の男の物語がローマとイタリア人、日本中のロマ二スタ、セリエA、サッカーを愛する人達等、様々な人の物語と交差した瞬間を観れたような感動がありました。
…成功は、自と他の物語の交差(クロス)地点にある…
「自分だけに酔うな。世界に怯えるな。さぁどうする才能の原石共よー戦場(フィールド)に落ちてる物語の成功を紡いでみせろ。」
『ブルーロック』絵心の脳内言葉と言葉です。