「SNSは、有名人への悪口を可視化。表現の自由と正義の名の下、毎日の様に誰かが過剰なリンチに遭ってる。皆、自分だけは例外だって思いながら、しっかり人を追い込んでるのよ。何の気無しな独り言が人を殺すの。」
『推しの子』有馬かなの言葉です。
2019年吉本が窮地に立たされた時「松本、動きます。」というTwitterの言葉に、日本中が賞賛をしてから3年半、そんな事は無かったかの様に、今度は松本人志を叩いています。
ドイツ語には、日本語でいうところの「他人の不幸は蜜の味」を表す言葉があります。
「シャーデンフロイデ」というその言葉は、他人が失敗したり、不幸な目に遭ったりしている時、私達はその姿を見て、心の中で気持ち良くなる事を表します。
あなたにも、わたしにも、そういう経験はあるはずです。
マサチューセッツ工科大学において、数多くのスライドを見せて、各スライドを見た時に、どのような感情を持つのかを調べた研究があります。
スライドには、美味しそうなサンドウィッチを食べている人、走っているタクシーに水しぶきをかけられている紳士等、様々な場面が用意されていました。
すると、被験者達は、他人が不幸な目に遭っているスライドを見ると「嬉しさ」を感じている事がわかりました。
この現象は、性格が歪んだ人にみられるわけではなく、多くの人に見られたのです。
誰にでも、地位の高そうな人が不幸な目に遭っていると、溜飲が下がったり、気分がすっきりして晴れやかな気持ちになる現象が、人の心にはあります。
テレビでは、芸能人が不倫をした、離婚をした、人を傷つけた等、偏った情報が流されています。
高岡蒼佑の暴力事件は相手が挑発してきて先に殴ってきたという事実、トロサーモン久保田の上沼恵美子への発言は撮られている事を知らなかった事・久保田は更年期障害等と言っていないという事実には、誰も注目しません。
著名人の不幸のニュースが流れる度、私達は気付かないうちに、口元が笑っています。
お金持ちや才能豊か、美人・イケメンで、チヤホヤされている人が不幸な目に遭っているのを見る事は、私達にとってものすごく嬉しい事なのです。
「そういう事を思ってはいけない」「そんな感情を持つのは失礼だ」
上記のように思いつつも、それでも、人は、不幸な目に遭っている人を見て、幸せな気分になってしまうのです。
ただ、心の中で、喜びを感じたとしても、それをネットに書くのはやめましょう。
他者に話すのも控えた方がいいですが、百歩譲って、他者に話すのはいいです。
しかし、ネットに書くのは、やめましょう。
あなたの何気ない独り言が、その人に届き、人の命を奪う事があり得るのです。
「漫才の歴史は、彼以前、彼以後に分かれる。」
私は、松本が好きです。