「1年の途中から入ってきた芸能人の桜島先輩は、完全に異分子だ。一度決まったクラスの形は、そう簡単には変わらない。目立てば誰かにウザいとか、調子に乗っているとか陰口を叩かれる。そうなったら、もう元に戻れないことをみんな知っている。それが学校という空間。誰も桜島先輩に話しかけられない。目立ちたくないし、浮きたくなくい。だから、桜島先輩もその空気を読み、自分も空気を演じてるんだ、きっと。」
『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』梓川の言葉です。
『青ブタ』は、空気を思春期症候群と表現し、心揺れる少女達の切ない思いを詰めた名作です。
空気は、クラスの中の過半数の人の性格で決定していきます。
外向的な人が多いクラスであれば、その対象は内向的な人に向きます。
内向的な人が多いクラスであれば、その対象は外向的な人に向きます。
外向的で協調性が高い人が重宝され、同調圧力の強い日本においては、その傾向は強く、これは学校を卒業してからも続きます。
社会には、外向的な人もいれば、内向的な人もいます。また、誠実性が高い人もいれば低い人もいて、協調性が高い人もいれば低い人もいます。
じゃんけん同様、この特性に強い・弱いはありません。
その特性が活かせる状況もあれば、活かしずらく、弱点のように見えてしまう状況もあるだけです。
人は、自分とは異なる特性を持つ人を見ると、脅威に感じてしまう本能があります。これは、本能だから仕方のない部分であり、この本能が働き続けたからこそ、人類は進化し続けることが出来ました。
しかし、本能を理性でコントロールすることが出来るのが、人です。
自分と異なる特性の人を、毛嫌いするのではなく、その人の特性をまずは認め、その人の特性が活かすことが出来るような関係性を構築していきたいものです。