♦ここにいていい、から始まる人生
⑥自己肯定感の質が違う
多様性が当たり前の環境で育った子どもは「認められるために頑張る」のではなく「ここにいていい」から、人生を始める。
そこで育つ自己肯定感は、褒められた時だけ育つものでも、否定された時に壊れるものでもない。
違いを恐れる事も、比べる事も、自分を守るために誰かを下げる必要もない。
これが多様性が当たり前の環境の中で育つ「質の違う自己肯定感」。
これから綴るのは、そんな物語。
…一歩目をもっと速く!すぐ立て!すぐ立て!…
…俺がすぐ攻撃態勢をつくれたら、セッターは上げ易くて、俺(スパイカー)は打ち易くて…
…相変わらず、イヤな存在感だな、チビちゃん…
「スキアリッ」
…ツー‥!!…
「ふはははははは!」
…攻撃の選択肢も増える!!!…
『ハイキュー』及川徹と日向の物語です。
♦守り過ぎた距離は依存を育て、信じて待つ距離は自立を育てる
子どもを愛している。
大切に思っている。
心配もしている。
それなのにーー。
気付くと口出しが増え、気付くと距離が近くなり過ぎ、気付くと子どもが自分の感情を話さなくなる
親子関係において問題になるのは「愛情の量」ではありません。
親子関係において問題になるのは「心理的距離の質」です。
近いことが良い事ではなく、遠いことが悪いことでもない。
本当に問われているのは、近づき方と、離れ方の質です。
♦愛情の形を真似るのではない。愛の中で感じた安心できる距離を、そのまま子どもに手渡していく
ー分かり合えた時より、分かり合えなかったのに関係が続いた記憶が、自己肯定感を支えるー
まず、前提として、自己肯定感の質が違うとは、自己肯定感の量ではなく、自己肯定感の質(構造)が違うという意味です。
自己肯定感は、3層構造で成り立っています。
①表層:自信
②中層:感情安定性
③深層:存在承認感
同質性環境の中で育った子どもは、①表層→状況依存、②中層→揺れやすい、③深層→条件付きとなります。
多様性環境の中で育った子どもは、①表層→高い、②中層→揺れにくい、③深層→無条件となります。
最も大切なのは、③深層。
③深層が、心理的距離を決める層です。
親子の距離を決めるのも、③深層です。
♧同質性環境で育ち、自己肯定感が条件付きで育った親
★価値は、評価で決まる
☆承認欲求・喪失不安が強い
→結果、子どもを、手放せない
♧多様性環境で育ち、自己肯定感が無条件で育った親
☆私は、私でいていい
★承認欲求・分離不安が弱い
→結果、子どもが離れても不安にならない
「及川さん、背中にも目があるみたいです!」
「‥何でそれを知ってる‥?」
「えっっ」‥冗談‥冗談だよな‥
「見るのも当然大事だけど、相手にどう見られてるかも計算に入れなきゃね。」
「‥‥!」
『ハイキュー』及川徹と日向の物語です。
♦子どもが離れていくのは、関係が壊れたからじゃない。安心して遠くまで行けるようになったからだ
ー愛とは、つなぎ止める力じゃない。離れても戻ってこられると信じる力だー
自己肯定感の質の違いは、愛着スタイルにも大きく関係します。
まず前提。
ここを勘違いされている人が多いですが、愛着は、優しかったか・厳しかったかではなく「親との関係の中で、神経系がどう安全化されたか」で決まります。
☆安全
★不安
☆危険
子どもは、親との関係を通じて、上記を脳と身体で記憶していきます。
これを「手続き記憶」と呼びます。
☆言語化できない
★意識できない
☆一生作動する
「手続き記憶」の魅力的であると同時に、とても怖い特徴です。
スタイル 形成環境 距離感
①安定型 一貫した応答 近づけられる・離れられる
②不安型 応答が不安定 しがみつく
③回避型 応答が拒絶的 距離を取る
④無秩序型 恐怖と愛着が混在 接近と回避が混在
ボウルヴィーの愛着スタイルです。
ー人は愛された方法ではなく、許されてきた距離の中で、我が子を愛するー
ここが深層。
子どもは、親の行動ではなく、緊張度・呼吸・声のトーン・目線・触れ方等を、神経的にコピーします。
たとえば、感情表出が否定された環境で育った子どもが親になると、子どもが泣いて相談してきた時に「それ位で泣くな」「自分で考えろ」「強くなれ」等の言葉を選択します。
これは、怒りというよりも、感情処理回路が未発達な事で生じる回避型の再生産なのです。
愛着は、教育からは生まれません。
愛着は、親と子どもの神経状態の共鳴から生まれるのです。
では、どのような環境が、愛着形成にポジティブな影響を与えるのでしょうか?
愛着形成にポジティブな影響を与える環境こそが、多様性耐性が自然に身につく環境なのです。
この続きは、また後程。