ーー日本の職場には、奇妙な構造がある。
☆出来ていることは当たり前であり、言葉は生まれない
★出来ない時・問題が起きた時だけ、言葉が生まれる
つまり、評価は減点方式のみ存在し、そこに、承認は存在しないのである。
誰も褒めない。
これは、個人の性格の問題ではない。
日本の仕事が長年続けてきた「責任文化」の構造なのであるーー。
♦人は、限界まで頑張れる。ただし、自分の頑張りが誰にも届かないと分かるまでは
古より現代に至るまで、日本は個人の能力より、集団の安定を優先する社会でした。
欧米:個人が強くなる→社会が強くなる
日本:社会が安定する→個人が守られる
この違いは、歴史からきています。
★村社会
☆飢餓
★震災
日本人は、1人の失敗が、全体の生存に関わる社会という歴史を生きてきました。
その為、重要だったのはーー
★能力より、協調性
☆才能より、空気を読む力
★挑戦より、ミスをしない事
ーーでした。
つまり、日本にあるのは「褒める文化」ではなく「崩れない文化」なのです。
また、多くの日本人は、褒める事を下記のように認識していました。
褒められる→安心する→力を抜く→ミスする可能性が上がる
だから「褒める」代わりに「気を引き締める」文化が出来上がりました
「褒めない」という文化は、日本人の生存戦略でもあったのです。
ーー誰も褒めない。
これは、個人の性格の問題ではない。
日本人が長年続けてきた「責任文化」の構造なのである。
しかし、今、その文化は限界にきている。
昔と違い、人は我慢だけでは働き続ける事が出来ないからだ。
若しかすると、今、現場で起きているのは「人手不足」ではないのかもしれない。
今、現場で起きているのは「承認不足」なのかもしれないーー。
ー人を壊すのは、仕事量ではない。報われないという感覚であるー
私は、ここに日本人が仕事を「すぐに人が辞める」構造が隠されていると分析しています。
昔:責任文化+終身雇用=耐えられた
今:責任文化+人出不足=耐えられない
ーつまり、褒めない文化だけが残って、支える構造が消えたのが、現在の日本の職場なのです。
たとえば、ケアマネジャーの仕事ーー
★責任重い
☆給料低い
★感謝少ない
☆クレーム多い
でも、ケアマネジャーの仕事の文化はーー
★出来て当然
☆頑張って当然
★出来た事には何も言われず、出来ない事だけ何か言われる
ーつまり、精神論だけ昭和なのです。
ーー若しかすると、今、現場で起きているのは「人手不足」ではないのかもしれない。
今、現場で起きているのは「承認不足」なのかもしれないーー。
そして、この構造の最前線にいるのが、ケアマネジャーである。
★利用者からは、当然と思われ
☆家族からは、役割以上の事を期待され
★事業所からは、調整役を求められ
☆行政からは、ルール遵守を求められ
しかし、その当然が役割が調整がルール遵守が上手くいっても、誰もケアマネを褒めない。
トラブルが起きなかった時は誰も言葉にしないのに、トラブルが起きた時だけ誰もが言葉にする。
この構造の中で何が起きているのだろうか?
とてもシンプルだ。
「もうケアマネだけは、やりたくない」と誰もが口にするーー。
ー平穏とは、誰かの努力の結果であるー
ケアマネが1番苦しい理由は、何でしょうか?
ケアマネが1番苦しい理由は、責任文化の最前線だからです。
★利用者:当然
☆家族:もっとやってほしい
★事業所:調整してほしい
☆行政:ルールを守ってほしい
ーつまり、ケアマネには、全方向からちゃんとやって当然が来るのです。
でも、そんな大変な仕事の中で、ケアマネを褒める人は誰?
ここが、空白になります。
これがケアマネの疲弊の正体であり、ケアマネの有効求人倍率が10倍になっている核心でもあります。
ー報われないのではない。報われていることが見えない仕事なのであるー
ケアマネが辞めていく理由として、まず挙げられるのが給料の問題です。
確かに、それも理由の1つですが、現場に日々いる立場としては、給料だけでは説明がつかない事を感じます。
本当の理由は、もう少し静かな場所にあります。
それは「報われなさ」です。
ケアマネの仕事は、問題を解決する仕事ではありません。
本質は、問題が起きないように調整し続ける仕事です。
しかし、問題が起きなければ、それはなかった事にされてしまいます。
何も起きなかった1カ月は評価されず、トラブルが起きた1日だけが記憶に残る。
ーつまり、ケアマネとは、問題が起きない時には姿は見えず、問題が起きた時だけ姿が見えるという極めて消耗をしやすい構造の中にいるのです。
ーーこの構造の中で何が起きているのだろうか?
とてもシンプルだ。
「もうケアマネだけは、やりたくない」と、誰もが口にする。
これは、待遇だけの問題なのだろうか?
本当に足りないのは、給料なのだろうか?
1番足りていないのは「この仕事には価値がある」と感じられる瞬間なのかもしれないーー。