「ダメだ‥考えることを放棄している。」
『進撃の巨人』アルミンの言葉です。
「引越しをしても、○○さんにケアマネジャーをして頂けると助かります。今後も、よろしくお願いします。」
生活保護を受給している私が担当している高齢者(利用者)の娘からの電話です。
「〇〇さんの娘さんから、引越しをするので、新しいケアマネジャーを探してほしいとの連絡がありました。しかし、その後、何度電話をしても繋がりません。」
翌日、地域包括支援センターから、弊社に上記のような内容の電話がありました。
娘の言っている事が、全く正反対である事は、誰もが理解出来るのではないでしょうか?
この利用者は、若い頃から、働かずに生活保護を受給し続け、娘が生まれて間もなく、離婚をし、その後は子育てもほぼせずに、似たような境遇の男性との色恋にばかり夢中になっていたそうです。
自身も鬱病を発症し、親との愛着関係を築けなかった娘も、鬱病・双極性障害等の精神疾患を発症しています。
若い頃から、生活保護を受給し続けてきたせいか、知能の問題なのか、性格の問題なのか、この利用者は、考える事自体を放棄しており、今回の引越しも自分では何もせずに、特に何も考えていない様子でした。
娘も、引越しの協力は、殆ど何もしていませんでした。
そして、ケアマネをやっている人であれば、承知の事実ですが、上記のような人には、自称知人と名乗る人が首を突っ込みたがり、突然登場してきます。
虚心坦懐に観察していると、考える事を放棄している人は騙しやすい為、自称知人がお金を「善意」という名の合法の下に、かすめ取っている事に気付きます。
自称知人は、その人自身も生活保護受給者であったり、仕事をしていない暇な高齢者が多い為「弱い人を助けている」という間違った価値観に酔いしれる事が出来る上に、お金まで貰える為、群がってくるのです。
4,04倍。
この数字は、2022年12月におけるケアマネジャー(ケアマネ)の有効求人倍率です。
2023年における有効求人倍率の平均は、1,29倍である為、ケアマネになろうとする人がいかに少ないかが理解出来ると思います。
53歳。
2022年におけるケアマネの平均年齢です。
さらに、4人に1人のケアマネが60歳以上というです。私の肌感では、これらの数字よりも、実態は上であるように感じています。
私は、仕事の1つとして、ケアマネをやっています。
25歳からケアマネの仕事をし、27歳で独立をし、主任ケアマネの資格取得や更新もしております。
①求められる仕事に対して、給料が安い
②精神的に疲弊する
③資格の維持が大変
ケアマネがケアマネを辞める要因を分析すると、上記の3つに分類する事が出来ます。
冒頭の話が②精神的に疲弊する事の1つの例です。
精神疾患を持つ人と接する機会が多い医療・介護で働く人(精神科の病院や精神疾患を持つ人の家を訪問するヘルパー等)は、他の科や精神疾患を持つ人との関わりが少ない介護の仕事をする人と比較し、精神疾患になる確率が、5倍になります。
私の会社は「介護を受ける人が幸せになる為に、まずは、介護で働く人を幸せにする」という世界観を提唱しています。
その取り組みの1つとして、カウンセリング・スーパービジョン等の仕事をしています。
申し込みをしてくれる中に、ケアマネも多く、精神的に疲弊をし、鬱病を発症し、辞めていくケアマネが後を絶ちません。
そして、上記のような辞めていく人には、若くて能力のある人が多いです。
残念ながら、ケアマネの殆どが上記のような悩みを分析したり、その為に行動する事等せず、特に何も考えずに日々の仕事をしています。
つまり「何か方法がないか」と考え、行動出来る数少ないケアマネが、私の所にまで辿り着いてるのです。
当初、私は「一緒に頑張っていきましょう。」等というメッセージを伝えていました。
しかし、最近では、異なるメッセージを伝えています。
そのメッセージとは「辞めた方がいいですよ。」というものです。
ケアマネの平均年齢層である50~60代の人であれば、のらりくらりと仕事をしていく事も、いいのかもしれません。
しかし、20代・30代の人が、冒頭で挙げた例のように、何の生産性もなく、成長にも繋がらない、ただ気持ちをすり減らすだけの人達への対応の為に時間と労力を費やす事は、その人にとっても、その人の家族にとっても、日本においても、マイナスでしかありません。
若い人の時間や労力が、高齢者や人を裏切り続ける事ばかりする精神疾患を持つような人に使われる事は、日本にとってマイナスです。
投資という視点でみれば、未来ある若者の時間や能力が、未来の高齢者や精神疾患を持つ人達に投資されてしまっているのです。
感情的ではなく、論理的に考えれば、これは日本という国が没落している原因の1つであると推測する事が出来ます。
そして、仕事で抱えたストレスは、どうしても帰宅した後、家族に向いてしまいます。
20代・30代で、魅力的な人であれば、素敵なパートナーや可愛い子どもと生活を共にしている可能性が高いでしょう。
安い給料の中、ストレスに囲まれ、仕事において成長する事もない中、家に帰り、その負の連鎖が、家族に向いてしまう事程、悲しい事はありません。
そのような現状を変えようにも、多くの50~60代の所謂「おばちゃんケアマネ」は、そこに疑問すら感じていません。
若くて能力のある人が、そこを変えようとしても、ストレスがさらに積み重なるだけです。
それであれば、辞めてしまった方が、良い選択であるというのが、現在の私の解です。
あなたの言動の1つが、ケアマネの心を蝕んでいるかもしれないという事を認識してほしいです。
ケアマネが「介護保険」の鍵である事は、間違いありません。
ケアマネがいないと、デイサービスを利用する事も、ヘルパーに来て貰う事も、ベッドを借りる事も出来ません。
最も避けるべき事態は、誰も、ケアマネをやらない時代が来る事です。
どんな方面からでも良いので、この現状を認識して、応援して頂けると、幸いです。