リスクを嫌い、自身のアイデアに疑問を持つ人が起業に成功する

 「起業を成功させるには、どうしたらいいですか?」という質問に対し、私は「借金をしないこと。」と答えるようにしています。

 アメリカで5,000人のビジネスマンを対象に、起業をする時に本業を続けるか、辞めるかを調べ、その後起業した人が成功したか、失敗したかを追跡調査した実験があります。

 実験結果をまとめると、起業に専念することを選んだ人は、自信に満ちたリスクテイカー、つまり危険を冒す人でした。日本人が描くアメリカ人の起業家のイメージではないでしょうか。

 これに対し、本業を続けたまま起業することを選んだ人は、リスクを避けることを第一に考え、自信も低い人でした。

 多くの人は、危険を冒すリスクテイカーの方が起業に成功すると思いますが、結果はその反対でした。

 本業を続けた起業家は、本業を辞めた起業家よりも、失敗の確立が33%低かったのです。

 当時陸上選手であったナイキ創業者であるフィルナイトは、1964年車のトランクにランニングシューズを乗せて販売を始めましたが、1969年までは会計士としての仕事を続けていました。

 ジョブズとともにAppleを創業したウォズニアックは、1976年にアップルコンピューターを開発しましたが、1977年までヒューレッドパッカードでエンジニアとして働き続けました。

 Googleの創業者ラリーペイジとセルゲイブリンは、1996年にネット検索の性能を劇的に向上させる方法を見出しましたが、1998年までスタンフォード大学大学院での学業を継続していました。「Googleは、もう少しで創業されない所だった。」とラリーペイジは語っています。その理由は、博士課程を辞めることが不安だったからです。

 1997年検索エンジンの開発が学業を妨げることを心配した2人は、Googleを2億円以下の価格で売却しようとしていました。幸か不幸か、購入を検討していた先が断ったことにより、Googleは誕生しました。

 これらの例からも理解出来るように、リスクを嫌い、アイデアの実現可能性に疑問を持っている人が起こした会社の方が、存続する可能性が高いです。

 現在は副業を認める社会になってきました。

 その空気を利用し、副業が軌道に乗ってきてから、起業をすることが最も成功可能性の高い方法です。