♦ここにいていい、から始まる人生
多様性が当たり前の環境で育った子どもは「認められるために頑張る」のではなく「ここにいていい」から、人生を始める。
そこで育つ自己肯定感は、褒められた時だけ育つものでも、否定された時に壊れるものでもない。
違いを恐れる事も、誰かと比べる事も、自分を守るために誰かを下げる必要もない。
これが多様性が当たり前の環境の中で育つ「質の違う自己肯定感」。
これから綴るのは、そんな物語。
ーー人生は、認められることから、始めなくていい。
勝つことからでも、成功することからでもない。
もっと、静かなところから、始めればいい。
「ここに、いていい。」
その言葉を心の奥に持っている子どもは、世界に出ていける。
嫌われても、自分を嫌いにならないから。負けても、自分を見捨てないから。違っていても、自分を隠さないくていいから。
そして、誰かと違う人を、傷つける必要など、ないからーー。
ー親が与える安心とは、答えではない。答えのない世界を、一緒に考えてくれる人がいるという安心だー
同じような人ばかりがいる環境では、世界を予測しやすいです。
けれど、多様性のある環境ではーー
☆言葉が、違う
★見た目が、違う
☆普通が、違う
ーー子どもは、その違いに出逢いながら、成長していく。
だからこそ、親の役割も変わります。
ただ、子どもを守るだけではない。世界を、一緒に読み解く人になるーー。
☆「どうして、あの子はそう言ったんだろうね?」
★「あなたは、どう感じた?」
☆「ママはこう思うけど、あなたはどう思う?」
ーーそんな会話が、子どもに「世界は、わからない。でも、わからない事を一緒に考えてくれる人がいる。」という、安心を作ります。
ボウルヴィーの「愛着理論」にあるように、子どもは、安全基地から外の世界を探索し、不安になれば基地に戻り、また探索へ向かいます。
愛着とは、離さない事ではありません。
愛着とは、安心して離れられる事でもあるのです。
だから愛着の質は、抱きしめられた回数だけではなく、送り出した回数と、迎え入れた深さにも、表れます。
ーー自立とは、親から離れることではないのかもしれない。
親からもらった「自分を見捨てない声」を、自分の中に持って、歩き出すこと。
それが、自立なのかもしれない。
自分の周りの人全員が、自分の味方ではないと感じる日が来たとしても、最後の1人だけは、自分の味方でいられるように。
その最後の1人が、自分自身であるようにーー。
ー世界中が自分を見失っても、自分だけは自分を見失わないー
多様性のある環境にいれば、子どもは、自動的に強くなるわけではありません。
寧ろ、同じような人ばかりの環境にいるよりも「世界は、自分の思い通りにはならない。」という事を、知ります。
ただ、その中で「思い通りにならない世界でも、自分はここにいていい。」という感覚を、育てます。
ここが、大きい。
折れない心を、育てるのではありません。人は、必ずーー。
☆傷つく
★失敗する
☆心が、折れる日もある
ーーだから必要なのは、折れない心ではなく、折れた時に帰ってこられる心。
そして、帰ってきた自分を、ちゃんと迎えてあげられる心。
ー愛着とは「ママは、私を理解してくれている。」という安心だけではない。「ママは、私を理解しようとしてくれている。」と信じられることであるー
理解されているよりも、深い所。
私は、これを「メタ認知型愛着」と、呼んでいます。
これは、既存の愛着スタイルの分類ではありません。私が、この先の話を進める為に、置いている言葉です。
それは「この人は、自分の感情や考え、背景を理解しようとしてくれている。」と、子ども自身が感じられる関係の事。
親は、子どもの事を完全に理解する事等、出来ません。だからーー。
☆聞く
★待つ
☆考える
ーーそして、問い直す。その姿を、子どもが知っている。だからーー。
☆「ママは、わからないまま、決めつけない。」
★「パパは、自分を、わかろうとしてくれている。」
ーーという信頼が、生まれるのです。
…こいつら1プレーごとに上手くなっていくの何だよ‥!…
「何~?」「ガブリエルとジーノが観光客にやられてる。」
「及川さん!」
「えっ」
「チャレンジャーッ!!!」
…及川さん(スパイカー)の位置・ブロッカーの位置・風・高すぎない・離しすぎない…
「チャチャレンジャアアアッ」
…いいじゃん!…
『ハイキュー』及川徹と日向の物語です。
ー俺達の強さは、ひとつなんかじゃないー
私は『ハイキュー』の、この場面が、好きです。
何故なら「強いから挑戦できる」のではなく「挑戦するから、強くなる」事が、描かれているからです。
子どもも、同じではないでしょうか?
ー親は、子どもの道を照らすのではない。帰り道を忘れないように、小さな灯りを残しておくー
親は、子どもにーー
☆自信を、持ってほしい
★失敗を、恐れないでほしい
☆自分らしく、生きてほしい
ーーそう願います。
でも、その前に、伝えておきたい事があります。あなたは、何者かになる前から、ここにいていいーー。
☆誰かに勝たなくても、ここにいていい
★失敗しても、ここにいていい
☆泣いても、迷っても、ここにいていい
ーー認められる為に、頑張る人生ではない。ここにいていいから、世界へ出ていく人生。
そして、疲れたら帰ってくる。
「行っておいで。」と「おかえり。」
その往復の中で、子どもは少しずつ、自分の人生を歩き始めます。
だから、子どもに与えたいのは、折れない心ではありません。
折れても、自分を見捨てない心。
そして、どんな世界に出て行っても、心の片隅に「帰ってもいい。」と、思える灯りがある人生。
「行っておいで。」その灯りは、消さないでおくから。