名字

 日本人が生涯を通じ、最も書くことが多い文字は自らの名字ではないでしょうか。  名字の多くが、遠い故地や血筋に由来しています。  成り立ちを知れば、祖先が名字に込めた想いや昔の風景が見えてくるかもしれません。  30万種あるといわれる名字は、8割が地名に由来します。  地名が名字に多い理由は、人が言葉を使い始めた時にまず生まれたのが地名であるからです。  そこから、家族や個人を特定する際に、「〇〇に住んでいる〇〇さん」というように呼ばれるようになりました。  最古の地名は、山や川等の自然地名です。  やがて、稲作が始まり人家が集まる所を「むら」「さと」と呼ぶようになりました。  すると、中村、村山、大里、中里等の地名が名字となっていきました。  また、稲作が発達した場所には「田」のつく地名が生まれ、田のつく名字が生まれていきました。  現在でも奈良時代に名付けられた地名の半数近くが残っています。  名字からも歴史を感じることができます。