問いだけが、昨日の自分を超えていくー研修から、私が学べなくなった理由2ー


 

 ーー昨日、ケアマネジャーの研修を受けた。


 帰り道、私の中に残っていたのは、学びではなかった。疲労だった。

 気付けば、私は、そんな帰り道を何年も繰り返している。




 手元には、資料がある。

 頭の中には、言葉が残っている。


 けれど、心の中に、新しい景色がない。

 だから、帰り道に残るのは、学びではなく、疲労だった。


 それは、身体の疲れではない。

 昨日まで見ていた世界が、今日も同じ景色だったという疲れだったーー。







  ー問いのない学びは、情報になる。問いのある学びは、人生を変えるー



 今回も、私の中に残ったのは、学びではなく、疲労でした。


 
 何故だろうーー?



   ★内容が、難しかったからではない

   ☆知識が、多過ぎたからでもない



 ーー私は、その答えは「問い」にあるのではないかと、感じている。




 人は、答えにより、成長するのではありません。

 自分の中に、新しい問いが生まれた時、昨日までの自分を超えていきます。




 良質な問いはーー


   ☆自分の中にある、経験を揺さぶる

   ★自分の中の当たり前に、疑問を投げかける

 
 ーーそして、昨日まで見えていなかった景色を、見せてくれます。




 しかし、問いが曖昧なら、思考は深まりませんーー。



   ☆何を、考えるべきなのか

   ★どこに、向かって考えるのか



 ーーその方向が見えなければ、研修はただ「答えを聞く時間」になります。


 答えを聞くだけでは、昨日までの自分と、何ら変わる事は出来ません。









 ーー事例検討会は、利用者を見る。

 この人に、何が必要なのか。この人が、この人らしく生きるために何ができるのか。



 しかし、スーパービジョンは、自分を見る。

 なぜ私は、そう感じたのか。なぜ私は、その選択をしたのか。

 私の中にある価値観は、支援に何を映しているのか。





 向かう場所が違えば、見える景色も違う。


 利用者への問い。自分自身への問い。

 この2つの視点が重なった時、支援は、技術ではなくなる。


 目の前の人生と、自分自身の心が出逢う場所、になる。








  ー問いは、思考の方向を決める。思考の方向は、人生の景色を決めるー



 昨日の研修は、事例検討会と、スーパービジョンでした。

 事例検討会と、スーパービジョンは、似ているようで、異なります。




 事例検討会の主語は、利用者ですーー。


   ☆この利用者は、何を望んでいるのか

   ★どのような支援が、この利用者らしい生活に繋がるのか


 事例検討会の視点は、利用者に向かいます。





 スーパービジョンの主語は、ケアマネジャーである自分自身ですーー。


   ☆なぜ私は、そのように考えたのか

   ★なぜ私は、そのような関わりを選んだのか


 スーパービジョンの視点は、自分自身に向かいます。





 どちらの視点も、ケアマネジャーの成長に、ポジティブに働きます。

 しかし、事例検討会と、スーパービジョンでは、向き合う問いは、異なります。



 だからこそ、問いが、大切になりますーー。


    ★利用者への支援を、考えるのか

    ☆支援をしている、自分自身を考えるのか


 ーーその境界が曖昧になった時、人は、どこに向かって考えればいいのか、わからなくなります。





 問いの方向を失った思考は、深く潜る事が出来ません。

 
 問いの方向がわからなければ、どれだけ考えても、新しい景色を見る事は出来ません。

 良質な問いがあれば、同じ景色からでも、新しい意味が生まれます。



 学びとは、答えを得る事ではありません。

 新しい問いと出逢い、昨日とは違う自分で、世界を見る事が学びであると、私は考えています。








 ーー答えは、いつか古くなる。

 しかし、問いは、その人の中で生き続ける。


 問いとは、未来の自分へ送る手紙のようなもの。




 今日生まれた1つの問いが、明日の支援を変えるかもしれない。

 昨日まで見えなかったものが、静かに見えるようになるかもしれない。


 学びとは、答えを増やすものではない。

 自分の中に、新しい世界を育てることを、私は学びと呼んでいるーー。







  
  ー学びとは、答えを増やすことではない。人生の中で、問いを育て続けることであるー




 必要なのは、昨日までの自分が持っていなかった視点。

 自分の支援を見つめ直す、1つの問い。


 学びのある研修とは、たくさんの情報を持ち帰る研修ではありません。

 学びのある研修とは、自分自身への新しい問いを1つ、持ち帰る研修です。





 答えは、時間とともに、忘れていきます。

 しかし、自分の中に生まれた新しい問いは、残り続けます。


 学びとは、知識を増やす事ではありません。

 学びとは、昨日まで気付かなかった自分に出逢う事です。