ー昔夢中になっていた漫画を、大人になって読み返すと、不思議な事が起こる。
物語ではなく、自分の人生が見えてくるのだ。
♦子どもの頃の約束ってのは、大人になってから効いてくるんだ
昨日、娘と一緒に『宇宙兄弟』のイベントに参加した。
場所は、東京ドームシティにある「Space Travelium TENQ」。
「TENQ」は、宇宙旅行をテーマに、宇宙を楽しめる宇宙エンターテイメント施設です。
東京ドームではWBCが行われ、ヒーローショーの聖地では今日もヒーローショーが行われ、放送30周年を記念した「名探偵コナン展」が行われ、『テニスの王子様」2,5次元には猛者達が集合し、JUMPSHOPには今日も日本中、否世界中からアニメファンが集まっている。
東京ドームシティは、日本、否、世界で最もエキサイティングで多様性のある「文化の衝突都市」になっています。
ー人生は前を向いて生きるものだが、理解するのは後ろを振り返った時だー
昨日2026年3月8日は『宇宙兄弟』の作中で、南波日々人が月面に降り立った日。
これを記念したイベントで『宇宙兄弟』の編集者が登壇し、制作の裏側や作者の声を聞く事が出来た。
編集者と直接話す機会もあり、とても貴重な経験だった。
私が『宇宙兄弟』に夢中になっていたのは、2008年~2012年頃。
当時の私は、仕事・勉強・人生の中で「これからどう進むのか」を模索している時期だった。
久しぶりに、昨日『宇宙兄弟』を読み返してみた。
しかしーー
あの頃のように、夢中にはなれなかった。
ただ、読み進めるうちに、1つの事に、気付いた。
作品が変わったのではない。変わったのは、自分なのだ。
物語は、読む人の「立ち位置」により、響き方が変わる。
若い頃は、主人公と同じ目線で読む。
ムッタやヒビトのように「これから何かを掴みにいく視点」で。
ー私達は、物語を読むのではない。物語の中で自分を見つけるのだー
未来はまだ広く、自分が何者になるのかも、まだ決まっていない。
だからこそ、挑戦・挫折・努力・仲間ーーその全てが自分の物語のように感じる。
しかし、年齢を重ねると、少しずつ視点が変わってくる。
仕事をし、責任を持ち、家族が出来、家族が増え、人生は「夢を追う時間」よりも「現実を支える時間」が増えていく。
若い頃は、まだ人生の物語が始まっていない。
だからこそ、漫画やアニメの物語に、入り込める。
しかし、大人になると、自分自身の人生が、すでに物語になっている。
☆仕事の葛藤
★家族との関係
☆責任や選択の連続
これらが、日常の中にある。
大人はフィクションの物語を読む存在ではなく、現実の物語を生きている存在なのだ。
では、大人に物語は必要ないのだろうか?
そんな事はない。
寧ろ、大人にこそ必要だ。
物語は、自分の人生を、少し離れた場所から見せてくれる。
そして、思い出させてくる。
ーかつて、自分がどんな夢を見ていたのかを。
ー子どもは未来を生き、大人は未来を残すー
昨日、娘とその空間にいる時、ふと思った。
今、物語に1番没入出来るのは、娘の世代なのかもしれない。
かつて、私が夢中になった物語に、今度は娘が出逢うかもしれない。
物語は、世代を巡る。
誰かが夢中になり、やがて人生を生き、次の世代がまた夢中になる。
『宇宙兄弟』に夢中になっていた昔の私も、きっとその流れの中にいる。
物語は、変わらない。
変わるのは、読む人の人生である。
若しかすると、物語の本当の役割は、ここにあるのかもしれない。
人が夢を見る時間を作り、その夢を、次の世代に渡していく事。
昨日のイベントは、そんな「小さな物語のバトン」を感じる時間であった。