経験は消費ではない。人格を作る最も確かな投資である。知識は教えられるが、人格は経験でしか育たないーユニバーサルスタジオ編4ー

 

 

 

 ーーあの日の事を、きっとこの子は、覚えていない。

 

 ユニバーサルスタジオで笑った事も、帰り道に腕の中で眠った重さも、やがて、記憶からはこぼれていく。

 

 

 それでもーー消えずに残るものがある。

 

 

 言葉にはされなかった温もり。

 

 何気なく向けられていた眼差し。

 

 「一緒にいた」という、ただそれだけの事実。

 

 

 それが、静かに、深く、積もっていくーー。

 

 

 

 

 

 

  ♦子どもの未来は、能力では決まらない。子どもの未来は、自分は大切にされてきたという、記憶で決まる

 

 

 

 子どもは、与えられた物ではなく、大切にされた記憶で、育ちます。

 

 

 テーマパークに行く本当の意味は、遊園地に行く事ではありません。

 

 テーマパークに行く本当の意味は、愛情の記憶を作る事です。

 

 

 

 テーマパークに行く事で、親が作っているのは、思い出ではありません。

 

 テーマパークに行く事で、親が作っているのは「自分は挑戦して存在なんだ」という世界の前提なのです。

 

 

 

 

 

 

  ー人生の土台は出来るかどうかではなく、出来ると思えるかどうかで決まるー

 

 

 

 成功する人や、主体的に人生を生きている人程、子どもの頃の経験を重視します。

 

 それは、人間の土台が、能力ではなく、自己認識で決まるからです。

 

 

 人は、能力があるから挑戦するのではなく「自分はやっていい人間だ」と思えるから、挑戦出来るのです。

 

 

 

 子どもににとって「出来る・出来ない」は、まだ未確定です。

 

 

 しかし、現実にはーー

 

 

    ★親の評価

 

    ☆学校での成績

 

    ★周囲との比較

 

 

 ーー等により「出来る子・出来ない子」というラベルが貼られていきます。

 

 

 これは、子どもの可能性ではなく、大人側の解釈が先に決まっている状態です。

 

 

 

 

 

 

 ーー言葉にはされないまま、それは、心の奥に沈んでいく。

 

 

 そしていつか、その子は、何の根拠もなく、こう思う。

 

 自分は、大切にされてきた。

 

 

 

 思い出せなくてもいい。

 

 説明できなくてもいい。

 

 

 その感覚があるだけで、人は、世界に踏み出していける。

 

 体験とは、思い出ではない。

 

 

 体験とは、忘れてもなお残り続ける、その子の在り方そのものになることーー。

 

 

 

 

 

  ー過ぎ去るのは、事実。残り続けるのは、心が受け取った意味ー

 

 

 

 子どもは、事実ではなく、意味で育ちます。

 

 子どもは、出来事そのものよりも、どう意味づけられたかで、自分を認識するのです。

 

 

 たとえば、同じ失敗をしてもーー

 

 

  ★「何で出来ないの?」→自分は出来ない人間だ

 

  ☆「ここまで出来たね」→自分は出来る途中の人間だ

 

 

 この違いが積み重なっていくと、子どもの中に「自分は出来る側の人間かどうか」という前提が作られていきます。

 

 

 

 

 

 

 ーー体験は、そのまま残らない。

 

 体験は、心の中で、意味に変わる。

 

 

 「連れて行って貰った」は「大切にされた」という感覚に変わる。

 

 その感覚はやがて「自分は大切にされる存在だ」という、静かな前提になる。

 

 

 

 人は、その前提の中で生きていく。

 

 

 挑戦するか、立ち止まるか。

 

 信じるか、諦めるか。

 

 

 全ては、あの日の体験にあった。その全ての積み重ねで出来ているーー。

 

 

 

 

 

  ー挑戦とは、未来の話ではない。挑戦とは、大丈夫だったという過去を信じる事であるー

 

 

 

 出来ると思えている子どもは、実際に出来ているからそう思っているわけではありません。

 

 出来ると思えている子どもは、挑戦しても大丈夫だったという経験が、たくさんあるのです。

 

 

 

   ☆失敗しても、否定されなかった

 

   ★やってみる事を、止められなかった

 

   ☆小さな成功を、認識して貰えた

 

 

 

 この積み重ねにより「自分はやれば出来るかもしれない」という感覚が、育ちます。

 

 

 

 

 では、出来ないと思える子どもは、どのように生まれるのでしょうか?

 

 

 

   ★すぐに正解を求められる

 

   ☆失敗を指摘される

 

   ★比較され続ける

 

 

 

 このような環境では「出来るようになってからやる」という思考になります。

 

 結果として、挑戦しなくなり、本当に出来ない経験だけが増えるという悪循環になってしまいます。

 

 

 

 

 

  ー大人の役割は、導く事ではない。挑戦しても大丈夫だと思える場所であり続ける事であるー

 

 

 

 大人の役割は、能力を伸ばす事ではありません。

 

 大人の役割は、子どもに対して、出来るようにする事ではなく、出来ると思える状態を守る事です。

 

 

 

   ☆失敗しても、価値を下げない

 

   ★課程を、認める

 

   ☆比較ではなく、成長を見る

 

 

 

 この積み重ねにより、子どもは「自分は挑戦していい存在だ」と認識します。

 

 

 子どもにとっての土台とは、能力ではなく、自己認識の初期設定の事を言います。

 

 そして、この初期設定は、周囲の大人との関わりの中で、静かに決まっていきます。

 

 

 

 

 

 ーー体験とは、出来事の記録ではなく、意味の記憶。

 

 

 楽しかった。ではなく、一緒にいてくれた。という感覚

 

 連れて行って貰った。ではなく、大切にされた。という実感

 

 

 

 その意味付けが、静かに積み重なり、やがて子どもは、理由もなく知っていく。

 

 自分は、大切にされる存在であると。

 

 

 そして、その意味の記憶が、その子の世界の見え方を作り、生き方をそっと決めていくーー。

 

 

 

 

 

 

  ー挑戦とは未来ではなく、過去の「大丈夫」の続きであるー

 

 

 

 「自分は挑戦していい存在だ」という自己認識は、どこで作れるのでしょうか?

 

 

 

 この自己認識は、勉強ではなく、体験の記憶で作られます。

 

 

 たとえば、子どもの頃にーー

 

 

    ☆色々な場所に連れて行って貰った

 

    ★やりたいと言ったら、応援して貰えた

 

    ☆楽しい経験を、たくさん共有した

 

 

 ーーこのような経験がたくさんある子どもは、無意識に「自分は大切にされている存在」という感覚を持ちます。

 

 

 

 このような子どもが、大人になるとーー

 

 

    ☆挑戦していい

 

    ★失敗しても大丈夫

 

    ☆また、やればいい

 

 

 ーー等という思考を持ちます。

 

 

 

 

 逆に、上記のような経験が少ないとーー

 

 

    ★我慢するのが普通

 

    ☆挑戦は怖い

 

    ★迷惑を掛けてはいけない

 

 

 ーー等という思考を持ちやすくなります。

 

 

 

 体験は、そのまま残るのではなく「意味」に変換され、その「意味」が人生を作っていきます。